彼曰く地球という星は一匹の生物であり、生命の樹(彼ら)はその中にある臓器の一つなのだという。
生命の樹の機能は主に３つに段階分けされ存在する。
・地表のレネゲイド濃度を吸収し、生物が生存、繁栄する余地のある地球環境の設計
・地球上に定着する原生生物の生産
・その後の運用管理 ← イマココ
現在は運用管理も安定期に入っており、彼らの主な仕事としては記録業務くらいである。

生命の樹は主に"枝"と"葉"(またはセフィラとも言う)の二つの要素で構成されている。
"葉"は生命の樹の役割を実行する器官、"枝"は役割の伝達や結果の報告を行う器官で、ガオケレナと呼称されている少年は"枝"に属するようだ。

少年の身体は生命の樹の端末で、本体は地中の奥深く、前人未踏の秘境にて根を下ろしているとのこと。
端末は文明の発展や時代の出来事を実際に目視で観察し、本体に持ち帰る記録装置である。
人格は人間社会に溶け込みやすいよう、過去に記録された故人から無作為に選び取られたものであり、そこから独自の調整を経て現在の様な少年の姿に至っている。
文明が生み出す新しいものに目が無く、少々傲慢で好奇心旺盛な性格だが、その内にある知識と本能は確かに生命の樹の意思を宿している。

生命の樹は地球環境を整え、命を生み落とした後、生物が定着した後の世界に対して傍観を決め込む意思を示している。
その為、"枝"はある程度の権能使用を許可されているが、環境の制御、特に生命が内包する死への干渉を堅く禁じられている。
現在、生命の樹の"葉"の殆どは役割を終えており、細々と降ってくる問題は"枝"である彼が解決していたそうだが…

数年神代グループで実験体として拘束されていた過去を持つ（？）

ガオケレナ同様、生命の樹の一部でありながら、人間社会に溶け込みUGNに協力する"葉"(※1)も複数体確認されている。
その者の一人は自分たちの立場に対して、人間の職分で例えるならば、企業に属するシステムエンジニアみたいなものだと語っている。
回答者「地球(企業)があり、その中に存在する生命の樹(一部署)で地球環境の設計とコーディングは行われました」
回答者「私、ですか？（数刻の間考えるそぶりを見せる）」
回答者「…私の担当はあなた達が"海"と呼んでいるエリアの設計でした」
回答者「地形の形成、原生生物の配置、そしてこの先数千、数億年先を見据えた移ろいゆく環境のテスト……そのどれもが、とても長い時間を掛けて行われましたよ」
回答者「…この話が嘘か本当か、その判断はあなた達に委ねましょう」
回答者「提示できる根拠もありません。とても信じられるようなお話ではないでしょうから」
(※1)UGN内で現在活動している"葉"：インタビューに答えた回答者は、現在日本沿岸部に配置されているUGN支部に所属している