ルーツ：シュブ=ニグラス　あなたはすべての生命の母より力を与えられ、人を超えた力を持つ。

彼女が臨戦態勢になると、常に憎悪を募らせて狂気に飲まれていく。
その狂気に沈めば沈むほどその力はさらに強力になっていき、体から産み落とした触手を操って敵を蹂躙する。
そして、その強すぎる狂気は対峙している相手にも伝播していき、戦場は混沌と化していってしまう。

一方で、彼女はその狂気を使いこなし、狂気に飲まれた者との会話を可能にしたり、逆に相手を落ち着かせたりするなど戦闘以外でも役立てている。

彼女はシュブ=ニグラスを信仰するとある村で行われた儀式によって、邪神と人間との間に生まれた落とし子である。
そんな彼女は信者達から「寵愛を授かった神の子」として祝福されて崇め奉られ、何不自由なく生活していた。

しかし、彼女は数年経っても授かったはずの力をふるうことはなく、信者達は次第に疑いの目を向けるようになる。
そしてとうとう信者達の不満が限界に達したその日に、彼女は「神からの寵愛を無下にした背信者」として非難され、不吉の象徴として「不幸なる者《ミセリア》」と名付けられた上で殺されてしまう。
だが、幸か不幸か一度死んだことによってその力が目覚め、自分を殺したことを憎悪した彼女は信者達を一人残らず惨殺してしまう。

それから彼女は「自分を救ってくれるのは"おかあさま"だけだ」と考え、母に会うべく各地を転々としていくこととなる。
その道中でさまざまな人間の悪意や敵意に晒されることで、自分を受け入れない者を憎悪していくようになっていく。

そんな中、噂を聞きつけたUGNに保護されたことで彼女の生活は一転し、平穏を得ることになる。
相変わらず人嫌いが治ることはなかったが、人の温かさに触れていく内に態度は軟化していき、目的のためにUGNに自ら協力するようになる。

ある日、任務で日本のD市を訪れた際にUGNの協力者である秦　九十九と出会い彼女の人生は転機を迎える。
彼の第一印象はあまり良いものではなかったが、自分を恐れるでもなくかといって同情する様子もない、自分をそのまま受け入れてくれた態度に居心地の良さを感じ、彼の家に入り浸るようになる。
そうしているうちに家族(父と娘)のような親密な関係になっていき、彼は心を許せる唯一の存在となっていた。

自分にも居場所ができたことの喜びから、同じ境遇のオーヴァード達を助けたいと思うようになり、そういった者達の居場所として
"揺り籠《インキュナブラ》"を結成した。
そして今では"揺り籠"のリーダー、"揺り籠の母《マザーグース》"として同胞を受け入れる活動を行いつつ、"おかあさま"に再会できる日を待ち望んでいる。