Cloudiaと共同研究をするきっかけとなったのは共通の知り合いの研究者である
UGNエージェント Dandelions "路傍の花" がきっかけ。

彼女は20年近く前に「 オーヴァードの暴走化と複製体 」について論文を書いた第一人者である。
(しかし元々は別の研究をしていた様子)
この論文を読んで感銘を受けた椥那は、
UGNとFHとしてではなく、一研究者として交流を深めていた。

明朗でお転婆なところがある人物であったが心優しく、
椥那の考察や無謀な研究の話なども馬鹿にすることなく耳を傾けてくれた。
Dandelionsは時折り、真剣な眼差しで研究のその先を語ることがあり、
その話を聞くことがとても好きだった。
彼女の前だけでは嘘や悪意は抜きにして対等に話したいと思っていた。

そんな彼女だが失踪をする直前まで、
「 お互いのことはＣＮで呼ぶこと 」「 私の日常は内緒にさせてほしい 」という条件だけは譲らなかった。
それでも楽しい日々は続き、Dandelionsに心が惹かれていく。
しかし気持ちを伝えられないまま時間が過ぎ去っていった。

そして16年前のある日、Dandelions は失踪した。――ということになっていた。
正確にはもう既にこの世におらず、臓器提供と遺体の一部を検体に出された後だった。
訳アリそうな事態に戸惑いが隠せずにいた。
ドナー先を特定し、臓器を手中に収めることが欲望。