容姿

ボサボサの長い髪を頭の後ろで結んでいる。
いつも薄い色の入ったサングラスをしており、あまり表情を見せたがらない。

経歴

父は裁判官、母は弁護士という家庭に生まれ、何不自由なく少年時代を過ごす。
3つ上の姉である姫野は帝を心からかわいがっており、それを彼自身もその身に強く感じていたものの、自分より早く大人になっていく姉が、やがて手の届かないところに行ってしまうことへの焦燥からか、高校生になった辺りからは素直に接することが出来ずにいた。

18歳の8月28日、帝は朝、ささいなことから姉と口論になり、家を飛び出してしまう。
友人と夜まで遊び歩くも、罪悪感が募り帰宅した帝を待ち受けていたのは、窓が割れ、玄関のドアが開いたままの我が家と、惨たらしい姿で残された両親と姉の姿であった。
かろうじて息をしていた姉を抱き寄せ、涙を流し、掠れた声で姫野の名を呼ぶ帝。
姉はそんな彼の頬を、血にまみれた細い指先でそっとなぞると、ただ一言「たんじょうび……おめでとう……ごめんね。」と言い、静かに息を引き取った。
この日、帝はオーヴァードとしての力に目覚め、彼の人生は大きく変わることとなる。
家族を殺したジャーム、その正体を暴きだし、その手で殺すことだけを生きる糧として、裏社会に潜み、薄氷の上を渡るような生活を送るようになったのだ。

その後、帝は能力を買われ、UGNに入隊する。
力は非常に優れていたものの、家族の仇であるジャームに対し強い憎しみを抱き、精神的に不安定だった帝は仲間内からも危険視され、近寄る者は片手で足りるほどしかいなかった。
しかし、そんな彼にもほんの1人だけ、同志といって良いほど打ち解けて接することが出来る同僚がいた。

UGN内で居場所を見つけ出したように見えた帝だったが、ある日の任務にて、暴走した帝は同伴して出撃した同僚を見境なく攻撃。
すんでのところで命を奪いかねない傷を負わせてしまう。
同僚は入院して意識がないまま、家族の希望によりUGNを脱退。
その日以来、彼はUGN内での鼻つまみ者となり、やがては同僚から"traitor(仲間殺し)"と呼ばれるようになってしまった。

それでも彼は、自分の家族を殺した仇を見つけ出し、殺すために、その身を削るようにして日々任務に当たっている。
その先にあるのが、自らをジャーム化へと導く修羅の道だと分かっていても──。

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