“神速刑事追い殺し”七種 ハヤト
プレイヤー:ムニメー
「うおおお〜ッッ! かっ飛ばすぜェ!!」
- 年齢
- 24
- 性別
- 男
- 星座
- 牡羊座
- 身長
- 183
- 体重
- 73
- 血液型
- B型
- ワークス
- 刑事
- カヴァー
- 刑事
- ブリード
- クロスブリード
- シンドローム
- ブラックドッグ
- ハヌマーン
- HP最大値
- 28
- 常備化ポイント
- 30
- 財産ポイント
- 2
- 行動値
- +15=23
- 戦闘移動
- 28
- 全力移動
- 56
経験点
- 消費
- +116
- 未使用
- 0
ライフパス
出自 | 親が犯罪者であるガキほど、憐れなものはねえ。 | |
---|---|---|
犯罪者の子 | ||
経験 | ……サイモン。俺はやるからな。 | |
永劫の別れ | ||
邂逅 | あの人こそ、まさに刑事の鏡だよな〜!! | |
谷修成 | ||
覚醒 | 侵蝕値 | オーヴァードとしての生まれですら、俺は自由じゃなかったな…… |
命令 | 15 | |
衝動 | 侵蝕値 | 今でも、犯罪者を前にすると虫唾が走る。だが、それで終わらせちゃいけない。 |
加虐 | 15 | |
その他の修正 | 4 | 先手必勝 |
侵蝕率基本値 | 34 |
能力値
肉体 | 3 | 感覚 | 3 | 精神 | 2 | 社会 | 1 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
シンドローム | 2+1 | シンドローム | 1+1 | シンドローム | 1+1 | シンドローム | 0+1 |
ワークス | ワークス | 1 | ワークス | ワークス | |||
成長 | 成長 | 成長 | 成長 | ||||
その他修正 | その他修正 | その他修正 | その他修正 | ||||
白兵 | 射撃 | 1 | RC | 交渉 | |||
回避 | 知覚 | 1 | 意志 | 調達 | 14 | ||
運転:四輪 | 6 | 情報:裏社会 | 4 |
ロイス
関係 | 名前 | 感情(Posi/Nega) | 属性 | 状態 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Dロイス | 神速の担い手 | 執着 | / | 偏愛 | ぶっ飛ばすぜ〜!!! | ||
Sロイス親友だったはずの人 | サイモン | 友情 | / | 悔悟 | ごめんな……俺の、たった一人の親友…… | ||
尊敬する刑事 | 谷修成 | 尊敬 | / | 隔意 | あんな刑事に俺もなりてえよな……! | ||
シナリオロイス | 一条弓花 | 連帯感 | / | 不安 | バディか~。変なことにならなきゃいいけどな……。 | ||
― | |||||||
― | |||||||
― |
メモリー
関係 | 名前 | 感情 | |
---|---|---|---|
面倒見なきゃいけないやつ | 須賀汐友 | 誠意 | まったく、刑事って面倒な職業だよな。 |
エフェクト
種別 | 名称 | LV | タイミング | 技能 | 難易度 | 対象 | 射程 | 侵蝕値 | 制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
リザレクト | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 効果参照 | ― | |
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇 | |||||||||
ワーディング | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | シーン | 視界 | 0 | ― | |
非オーヴァードをエキストラ化 | |||||||||
鋼の馬 | 3 | メジャーアクション | 〈運転:四輪〉 | ― | ― | ― | 2 | ― | |
このエフェクトを組み合わせた判定のダイスを+LV個する。 | |||||||||
コンセ:BD | 3 | メジャーアクション | シンドローム | ― | ― | ― | 2 | ― | |
C値を-Lvする。(下限値7) | |||||||||
加速装置 | 3 | セットアッププロセス | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 1 | ― | |
そのラウンドの間、あなたの【行動値】 を+[Lv×4]する。 | |||||||||
スピードスター | 1 | セットアッププロセス | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 3 | Dロイス | |
そのラウンドの間、あなたが与えるダメージにあなたの【行動値】を加える。ただし、このラウンドの間、あなたはあらゆるリアクションが行なえない。このエフェクトは1シーンに1回まで使用できる。 | |||||||||
ライトスピード | 1 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 5 | 100% | |
そのメインプロセスでは、あなたはメジャーアクションを2回行なえる。判定が発生する場合、それぞれ別途に処理すること。また、そのメジャーアクションでは、判定のクリティカル値に+1される。このエフェクトは1シナリオに1回まで使用できる。 | |||||||||
影走り | 1 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 2 | ― | |
あなたは戦闘移動を行なう。この移動では、離脱を行なえる。また、移動中に他のエンゲージに接触しても移動を終える必要はなく、封鎖の影響も受けない。 このエフェクトは1シナリオにLV回まで使用できる。 | |||||||||
フルインストール | 3 | イニシアチブ | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 5 | 100% | |
そのラウンドの間、あなたが行なうあらゆる判定のダイスを+[LV×3]個する。 このエフェクトは1シナリオに1回まで使用できる。このエフェクトは他のエフェクトと組み合わせて使用できない。 | |||||||||
先手必勝 | 5 | 常時 | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | ― | ― | |
あなたの【行動値】を+[LV×3]する。 このエフェクトは侵蝕率によるレベルアップの効果を受けない。このエフェクトを取得した場合、侵蝕率基本値が+4される。 | |||||||||
ポルターガイスト | 1 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 4 | 100% | |
所持している武器をひとつ選択する。 そのシーンの間、あなたが行なう攻撃の攻撃力を+[選択した武器の攻撃力] する。ただし、選択した武器は破壊される。 | |||||||||
軽功 | 1 | 常時 | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | ― | ― | |
あなたがすさまじく身軽であり、垂直のビルの壁面や水面であろうとも走り抜けることを表わすエフェクト。あなたにとっては、ビルの壁も水面も、平地と何ら変わりはない。 | |||||||||
空の楽器 | 1 | メジャーアクション | ― | 自動成功 | 効果参照 | ― | ― | ― | |
周囲の大気そのものを無数の楽器やスピーカーへと変え、任意の音声や音楽を発生させるエフェクト。しっかりと記憶しているなら、楽曲を演奏することも聞き取った他者の会話の内容を再生することもできる。 |
コンボ
かっ飛ばストライク!!!
- 組み合わせ
- 鋼の馬+CR:BD
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 運転:四輪
- 難易度
- 対決
- 対象
- 単体
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 4
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 3+3
- 7
- 6
- 45
- 100%以上
- 3+16
- 7
- 6
- 49
- 3+3
エンジン全開!!
- 組み合わせ
- 加速装置+スピードスター
- タイミング
- セットアッププロセス
- 技能
- ―
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 4
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 100%以上
そのラウンドの間、あなたの【行動値】 を+[Lv×4]した後、そのラウンドの間、あなたが与えるダメージにあなたの【行動値】を加える。ただし、このラウンドの間、あなたはあらゆるリアクションが行なえない。このエフェクトは1シーンに1回まで使用できる。
スーパートルネードブースター!!
- 組み合わせ
- 影走り 100↑ライトスピード+ポルターガイスト
- タイミング
- マイナーアクション
- 技能
- ―
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 2/11
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 100%以上
影走り:戦闘移動を行う。この移動では、エンゲージの離脱及び侵入が可能。
ライトスピード: そのメインプロセスでは、あなたはメジャーアクションを2回行なえる。判定が発生する場合、それぞれ別途に処理すること。また、そのメジャーアクションでは、判定のクリティカル値に+1される。このエフェクトは1シナリオに1回まで使用できる。
フルスロットルモード!!
- 組み合わせ
- フルインストール
- タイミング
- イニシアチブ
- 技能
- ―
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 5
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 100%以上
そのラウンドの間、あなたが行なうあらゆる判定のダイスを+[LV×3]個する。 このエフェクトは1シナリオに1回まで使用できる。このエフェクトは他のエフェクトと組み合わせて使用できない。
ヴィークル | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 行動 | 攻撃力 | 装甲値 | 全力 移動 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SUV | 24 | ヴィークル | 〈運転:四輪〉 | -5 | 15 | 7 | 80m | ハヤト専用の強化パトカー。 EXレネゲイドに感染しているわけではないが、更に丈夫になった。 |
一般アイテム | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|
ウェポンケース | 1 | その他 | ― | UGNが作ったアイテムケース。武器、防具からひとつを選択する。選択した武器、防具はオートアクションで装備できるようになる。 →指定:乗用車 | |
コネ:手配師 | 1 | コネ | 〈調達〉 | 横流し品などを扱うフィクサー。〈調達〉の判定のダイスに+3個する。1シナリオに1回まで使用できる。 | |
コネ:警察官 | 1 | コネ | 〈情報:警察〉 | 、内部に顔が利く警察官。〈情報:警察〉 の判定のダイスに+2個する。 | |
コネ:情報屋 | 1 | コネ | 〈情報:裏社会〉 | 裏事情に聡い情報屋。〈情報:裏社会〉の判定のダイスに+2個する。 |
経験点計算
能力値 | 技能 | エフェクト | アイテム | メモリー | 使用総計 | 未使用/合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
0 | 47 | 184 | 0 | 15 | 246 | 0/246 |
侵蝕率効果表
現在侵蝕率:
容姿・経歴・その他メモ
「神速刑事たぁ俺のことよー!」
「かっ飛ばしていくぜェ~!」
自らコードネーム"神速刑事"を名乗る若き刑事。
レネゲイド感染者ということと、その類まれなる運転技術、犯人逮捕の実績から、22歳で交通課から刑事課へ異例の刑事抜擢。
刑事となっても、パトカーを華麗に乗りこなし、法の手から逃れようとする犯罪者たちを縦横無尽に追い回して捕まえる。
シンドロームはブラックドッグ/ハヌマーンで、対ジャームやFHなどのレネゲイド犯罪者に対しては直接特製パトカーをぶつけて戦闘を行う。
このパトカーは完全にハヤト専用のものとなっており、彼独自の様々なカスタマイズが施されている。
豪放磊落、勇猛果敢。向こう見ずのスピード野郎。
人情に溢れ、相手が犯罪者であろうともその善性を信じ、一人の人間として向かい合おうとする熱い男である。
だが、(最低限の警察官としての知識は別としても)少々アホな気質があり、考えなしに行動することがある。
相手が逃げれば逃げるほど燃えるタイプであり、一人の犯人に深入りしすぎて上司から怒られてしまうこともしばしば。
大好物はカツカレーであり、大事な捜査の前や、大事件が解決した直後は決まっていきつけのカレー屋で昼食を取る。
警察食堂のカレーも好んで食べる。
なお、上記までに記述された性格はすべて彼の欺瞞である。
二年前までの七種ハヤトについて
下記長文のため、内容の要約
①犯罪者に虐げられながら育てられた七種ハヤトは、苛烈に犯罪者を憎むようになった。
②単身アメリカに渡り、オーヴァードとして、そして警察官としての道を歩む。ポリスアカデミーを卒業し、ロス市警へ入職。
③対オーヴァード専門ということもあり、『生きて捕まえるのは難しいし、犯罪者なら殺しても構わない』という思想の元、必要以上にジャームやオーヴァード犯罪者に危害を加えながら職務に当たっていた。
④そんな荒んだ生活の中、ロス市警のR担に相当する所でサイモンという男と出会う。
④サイモンは、ハヤトの荒んだ心を受け止めてくれ、やがて親友となった。サイモンもまた、ハヤトの苛烈な精神の中に犯罪の被害者を想う優しい心根があることを見出し、友情をはぐくんでいった。
⑤しかしある日、ロスを縄張りとするオーヴァード犯罪組織と退治している最中、サイモンが犯罪組織から送られてきたダブルクロスであることを知る。
⑥動揺するハヤトは犯罪者からの攻撃を避けきれなかったが、それをサイモンが庇い致命傷を追う。
⑦今わの際のサイモンから、『サイモンがスパイとして潜入した目的は、③のような蛮行を繰り返し、犯罪者を人とも思わないようなハヤトを暗殺する為』『しかし、長く友として過ごすうちにハヤトに絆されてしまい、憎めなくなってしまった事』を伝えられる。
⑨そして、『騙してしまった事の謝罪』を遺し、サイモンは息を引き取った。
⑩自らの過去の行いが、唯一無二の親友の命を奪ってしまった事実を受け入れられないハヤトは、暴走して犯罪組織を潰して回るように。
⑪実績はともかく、さすがに命令違反が著しいと判断され、日本国籍があることから日本のR担に左遷となった。
⑫荒れ果てたハヤトは、ある日のサイモンとの会話を思い出す。サイモンは、『犯罪者相手にも真正面から向き合える警察官が理想』と語っていた。
⑬ハヤトは、(たとえそれがサイモンがついたその場しのぎの嘘であろうが、彼の本心であろうが)サイモンの理想を継ぎ、『犯罪者に真正面から向き合う警察官』になろうと決意した。
⑫そうして、まず形からと言わんばかりに、"神速刑事"の仮面をかぶった。
「……下手に力をつけて、それを誇示せずにはいられないような糞共は全員殺してしまえばいい。存在するだけ無駄だ」
「オーヴァードの事が表に出るのを嫌がる組織があるんだろう? そいつらに遺体の処理は任せればいい」
本来の七種ハヤトという人物は、警察官を志しながら、犯罪者を憎み、その命や尊厳を何の躊躇もなく踏みにじる非道な人物であった。
15歳でアメリカに渡り、20歳時に条件を満たしたことによる市民権を取得。その日に、アメリカのオーヴァード組織が擁するポリスアカデミーに入学。
その後三カ月程で卒業し、ロス市警のR担交通課(に当たる別組織だが、便宜上そう呼ぶものとする)に入職する。
その後一年半、主に対ジャーム・オーヴァード犯罪に関するいくつもの事件に関わり、その全てを解決してきた。
ただし、対象・犯人はすべて死亡する形で、という注釈が付く。
七種ハヤトは犯罪者、とりわけオーヴァード犯罪者やジャームをひどく嫌悪しており、そのすべてに所謂人権という者は存在しないと考え、命を奪う権利があるとすら考えていた。その思考に至るまでを説明するには、彼の出生にさかのぼって言及する必要がある。
ハヤトの両親は権力者ながら、オーヴァードの力を行使し裏社会・政財界に強い繋がりを作っていた。(あるいは、順序が逆かもしれないが。)
そんな両親は、ハヤトを「自分たちに都合のいい特別な駒」としか見ず、子供としてではなくあくまで『有望株』としての愛情しか注がなかった。
ハヤトもそれに早々と気付き、両親のことを侮蔑していた。しかし、言う事を聞き、期待に応えねば殴られるし、罵られるし、きっと最後は殺される。
そんな心休まらぬ日々は、両親が敵対するオーヴァード組織によって殺された日を境に、唐突に終わりを告げた。
「結局、両親も、それを手にかけた奴も、全員が犯罪者だ。どれだけ表面を取り繕っても、全員化け物の血で薄汚れたゴミクズでしかない。
なら、そんなやつらはどれほど惨たらしく殺されても、文句を言うべきじゃないな」
そうしてハヤトは、アメリカで過激な正義を学び、「相手が犯罪者だから」という理由で過剰に危害を加えては、
パトカーのタイヤを日々血に染めて地面に転がるジャームやオーヴァード犯罪者をゴミの様に嘲嗤うような生活を送っていた。
「車両に乗った者を皆一様に追いつめ、時に乗り物ごと壊してしまう」という所から、敵味方問わず追い殺し"ライドキラー"の二つ名(あるいは蔑称)で呼ばれていた。
そんなハヤトの警察官の価値観が一変したのは、二年前の、蒸し暑い夏の日だった。
ハヤトは当時、同じ課に居た交通課の警察官、サイモンとバディを組まされていた。
サイモンはいい加減な性格だったが、ハヤトとそりが合った。というよりも、優しい心根の彼は、ハヤトにあわせての生活が可能だった、と言うべきだろうか。
ハヤトも、過激な正義感ともエゴとも言えるものを内包する自分は、周りとは合わないと感じていたし、その中で友人としていてくれるサイモンに確かな友情を感じていた。
しかしある日、ロスの中でもひときわ大きな犯罪組織との戦闘になった際、敵はハヤトに発砲しながらこう叫んでいた。
「チクショウ、サイモンの野郎裏切りやがったな!」
「ライドキラーの居場所を提供するってのは嘘か! あいつも見つけ出して殺してやれ!!」
ハヤトはひどく動揺した。サイモンがまさか。そんなこと、あるわけが……と。
動揺しているハヤトに向かって、何発もの銃弾が襲い来る。しかし、それはハヤトの体を貫くことは無く、全てサイモンが庇って受け止めた。
対オーヴァード仕様の、レネゲイドウィルスの活性化を一時的に著しく抑える成分が混ぜ込まれた弾丸……それは、しばらくの間、屈強なオーヴァードすらただの一般人に戻してしまうもの。
そんな銃弾を何発も貰ってしまったサイモンの命が長くないのは、火を見るよりも明らかだった。
「おい、サイモン、ウソだろ」
「悪い、嘘じゃないんだ。俺は、ほんとはあっち側の人間で……」
「その話じゃない!! 違う、いや、やめろ、喋るな。わかった、いいんだ。喋るな。今救急車を」
「俺だってな。ほんとは、お前を隙あらば殺そうとした。俺の知り合いだって、何人もやられたしな。
……けど。お前は、犯罪者以外には、愛想は無いけど優しく接してたよな」
「黙れ、本当に死んじまうぞ」
「犯罪で親を亡くしたガキ、バッグをひったくられたババア、彼氏がひき逃げされた女、娘を攫われたオッサン。……辛い事件が続いて、しんどそうにしてる俺にも。
……みんな、お前が事件を解決した時には……感謝して、笑ってた、よな」
「サイモン、なあ、頼む……喋るな……」
「俺さ……思ったんだ。
お前みたいな友達が、いたら……さ。俺も……犯罪者に……ならずに、済んだのかな……って……。
……ちゃんと……警察官に。お前に、憧れ……て……」
「……サイモン? おい、サイモン!!」
「……ごめん、な……嘘、ついちまって…………」
「……あ……待って、待ってくれ、そんな……」
「信じてくれたのに……ごめん……な……。
…………」
「サイ……
…………。
——あ、あああああああああっ!!!」
五分後、ハヤトはその場のオーヴァードを一人残らず轢き殺していた。そして、一週間かけ、ロスの裏を張っていた組織の組員を、一人残らず確実に殺して回った。
その行動が問題視され、日本人国籍があることを理由に、日本の刑事として追いやられることとなったが、その頃のハヤトは最早生きる気力すら残っていなかった。
「これまで殺してきた全員と、もしかしたらわかりあえたかもしれない」
「サイモンと自分は、その証左となる二人だったかもしれない」
「でも、殺してきた。話を聞きすらしなかった。わかり合おうともしなかった。」
「その積み重ねの果てに、一生の友達になってくれるはずだった人を得て、そして失った」
無力感、喪失感、自分への怒り、そして絶望。いろいろなものが、ハヤトを襲った。
左遷までの間、ハヤトは荒れ果てた。その末に、夢を見た。
「サイモン。お前みたいな適当な奴が、警察官になった一体何をしたいって言うんだよ」
「……うーん? なんだ、哲学か?」
「普通の興味だよ」
「ま、そうだなあ……あえて言うなら、ガキが犯罪者なんかならなくていいくらいの世の中にしてやりたいね」
「そりゃ政治家の仕事だろ」
「そうでもないぜ? 世の中、悪い奴がいなくなれば、そいつらに面倒みられたり攫われたりして、『犯罪者にならざるをえない』奴もいるだろ」
「…………」
「そういうのが無い世の中にしたいね。……あとは、まあ……。
なりたくて犯罪者になるやつなんて、いないと思うんだよな。だから、そいつらに向き合うために……かな」
「はっ……ご立派だな」
「なんだよ、聞いておいて……」
そこで、ハヤトは目を覚ました。目からは、大粒の涙がこぼれていた。しばらく、声にならない嗚咽が溢れ出て、やっと声が上がったと思えば、情けない慟哭が口をついて叫んだだけだった。
あの日、サイモンと語った『目標』が、彼のその場しのぎの嘘だったのか、それとも本心やあこがれから来る理想だったのか。
今となっては、全く確かめようのない事実だ。
……しかし、ハヤトとサイモンは……警察官と犯罪者は、最後の最後で、わかり合った。わかり合おうとした。
「なら、俺は……サイモンの遺志を継ぐだけだ」
そうして、ハヤトは『熱血刑事』の仮面をかぶった。日本では、そちらの方がウケがいい。
……なによりそちらのほうが、サイモンの理想である気がしてならないから。
二人の理想までの道のりは未だ遠く、果ては見えない。
セッション履歴
No. | 日付 | タイトル | 経験点 | GM | 参加者 |
---|---|---|---|---|---|
フルスクラッチ作成 | 32 | ||||
58 | |||||
26 |