かつて、少女は孤児だった。
異能を操る姿から、親からも他の人々からも拒絶され、彼女の幼少期は孤独の二文字で表現するにはあまりにも凄惨で悲痛かもしれない。

後にこの異能の源が“レネゲイド”と呼称されていると知った際には、酷くそれを忌避する反応を見せた。


そんな折、孤独に日々を凌いでいた中で一人の少女と出逢う。
同じ境遇を過ごす仲、意気投合するのも時間の問題だった。

その少女もまた異能者であり、互いが互いのために異能を行使することにより、二人のレネゲイドに対する意識もまた、変わっていったとみられている。



その日々からしばらくした後、二人の道は別たれることとなる。



UGNとFH、双方に拾われた二人の少女。その道は、そう時間がかからないうちに交わることとなる。


[中略]


UGNとFH、またゼノスやギルトといった様々な組織による抗争の最中。
自身の後継の育成を重く見た日本支部支部長(リヴァイアサン)は、4人のチルドレンを収集した。その中の一人が、コードネーム：氷晶(クリスタリア) 星見 六花である。

以降、日本支部の後継者育成プロトコル“キリタニ・プログラム”に、星見を含めた4名のチルドレンが参加する運びとなる。


[中略]


一枚岩での運用が不可能となっていったUGN。内部離反や外部抗争。
日本支部におけるそのきっかけは、日本総支部の襲撃、爆破だった。

その事件を皮切りに、UGNの体制は瓦解、外部支部との交流も断絶的なものとなった。
この際、キリタニ・プログラムを受けていた4人のチルドレンは、それぞれの勢力に散っていたとみられる。

そして、その中でリヴァイアサンの没を目撃した人物は、星見六花のみだった。


日本支部の運用は、しばらくの間日本支部に駐屯していた本部エージェント(ネーム・オブ・ローズ)に一任されることとなったが、刻一刻と悪化する状況に対処しきれず、“キリタニ・プログラム”参加者の一人、星見六花に任命された。
その際に自らの名前、CNは“前任者(リヴァイアサン)の遺志を継ぐもの”として変更している。


[中略]


来る“プロジェクト・クロノス”の実行日。
彼女は装置の中で、誓いを立てる。

────　あの未来を、繰り返さないように。

できるときに“パープルテンプター”（IA47、購入20）を調達する。

カヴァー/ワークス：指定なし/指定なし
気がついたとき、君は都内の廃ビルの中で倒れていた。
それまでの記憶は失われており、自分が何者かもわからない。
君の前に現れ質問攻めにしてくるPC③に、君はそう釈明した。
失われた記憶を取り戻すため、君は行動を開始した――どこまでもついてくるPC③を連れたまま。

君の記憶は失われてなどいない。
君はUGN日本支部が壊滅し、荒廃した未来の日本から時間跳躍機“クロノスの座”によって送り込まれた時間旅行者だ。
“クロノスの座”の起動には莫大なエネルギーが必要で、君ひとりを一度時間跳躍させるのが限界だった。
与えられたたった一度のチャンスで、君はUGN日本支部爆破事件を止めなければならない。
時間跳躍に際して、君には己の知る未来を過去の人間に口外できないという制限が課されている。
その制限が廃されるのは未来が君の知るものと一致したとき――つまり、UGN日本支部長・霧谷雄吾が死亡したときだけだ。