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突然だけどデザイナーベビーって知ってる？

遺伝子操作や遺伝子選択を行うことで、身体的特徴や能力、病気への耐性などを持った子どもを計画的・意図的に作る、非人道的と認められた行為

簡単に言えば、創造主の思った通りの個体を作ることが出来る

では、思った通りの個体ができなかった時、その創造主は出来損ないをどうするか？
答えは簡単、殺処分

大凡六歳まで施設で育成され、実験観察の繰り返し、そこで価値あるものが出来れば保存、育成の続きになる

そこで気になることが一つ、創造主達は何を求めてデザイナーベビーを作り続けるのか、というもの

ここからは、私の話を書いていこう



｢被験番号NS-1983、起きろ｣
私が起きた時、意識を持った時、一番最初に言われ、あるいは最も聞いた言葉

ただひたすらに同じことを繰り返し、観察され、創造主の中で点数をつけられている
創造主が求めているのは｢対グレイプニル決戦個体｣
その中でも最も純度の高い個体を求めている

私はその中でもただ一つのことしか出来ない欠陥個体、今捨てられていないのは奇跡でしかない
私が出ていったところでできることは何も無く、保護してくれる人もいない、六歳に期待することもない



ただそんな日々も終わりを告げる日が来る
この研究所に襲撃が入った、人数は一人
服装は年季の入ったローブ、顔に仮面を被り右手にサバイバルナイフを持っていたことは覚えている

｢ゼノスの研究所ってのはクソだな...｣

彼は虚空に話しかけるように言葉を紡いだ

｢レネゲイドビーイングが人の遺伝子を弄るなんざなァ、凡そ事情が聞かされていたけど人の可能性なんざわかる訳ねェだろォが｣

施設の至る所を壊しながら彼は進んでくる、至る所から悲鳴が上がるけれどそれらを無視して真っ直ぐに、私たちが収容されている場所へ

｢よォ、生きてっかァ？｣

ふと見上げれば彼はもう目の前にいた
安心させるように、仮面を少しだけ外し口元を見せてくれた、その顔は笑顔に満ちていていることがわかる
その瞬間、私は意識を手放した

目を覚ましたら知らない天井を見た



名も知らない彼が助けてくれた、でもその仮面は覚えてる
いつか助けてくれた彼の背に追いつくために、私も偽善でもいいから人を助けようと誓ったんです

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