偽名『巳継 烓(みつぎ きょう)』
　偽CN『追放するは赤色の毒(-サマエル-)』

　潜入中の話はあまり盛りすぎない方が良いので割愛。
　できる事なら作戦中に一般人は「事後処理が面倒だからご退場願おうか」とかいう理由でなるべく逃がせていたらいいなぁ……出来てなくてもそこまで気にしないです。

詠唱一覧
「領域反転――『鐡-くろがね-』」
「因子結合・領域反転――『銀-しろがね-』」

「領域断裂――『鐁-かんな-』」
「因子転換・領域断裂――『鍠-まさかり-』」
「領域零砕――『鏷-あらがね-』」
「因子転換・領域零砕――『劔-つるぎ-』」

「領域変転――『鐶-たまき-』」
「因子結合・領域変転――『鐐-あしかせ-』」

　とある村の神社の息子、本名『巳継 烓(みつぎ きょう)』
　産まれた時から異能の力を持っており、その事を両親からは“神様からの贈り物”と教えられていた。
　だがこの力を人前で使う事を禁じ、幼少期は一般人として生活していた。
　両親は自分の子がこの“ちいさな村”の中で暮らしていけなくなるのではと危惧していたのだ。

　予感は的中。
　烓はふとした瞬間に能力を使ってしまい住民に異能力がある事がバレてしまい、心優しい神主達の立場は一転。
　とても暮らせるような状態ではなくなってしまう。
　仲の良かった友達も、可愛がってくれた大人たちも、まるで別人のようになっていき――分かり合えない事を悟った
　村を出て、慣れない仕事をし父親は中学を卒業する頃には他界。
　その頃にUGNの人間と接触し、母親を養いながら自分の持つ力と向き合えるようになった。

　UGNの抱く“秩序”や“平和”を目指すつもりは無い、そこまで善人でもないし。
　ただ、いつか分かり合える世界になんて夢だけは存外嫌いじゃない。
　叶うはずは無いけれど、準備が整うまで秘匿するという判断だけは全力を持って肯定でき、それだけでUGNに協力する理由になる。
　まぁ、そんな風にUGNの仕事で家を離れてる間に母親も他界してしまい、今は天涯孤独だ。
　だから本名はもう捨てておこうと思って今は『式守 圭吾(しきもり けいご)』

　真コードネームの『カマエル』は旧約聖書 創世記の中に記される天使の名であり、生命の樹(セフィロト)を構成する10個のセフィラの1つである『ゲブラー』、その守護天使ともされる。

　偽コードネームの『サマエル』も同じく旧約聖書 創世記に記された存在であり、その正体はイヴに知恵の実について教え、人間が楽園を追放される原因を作った蛇。
　また、サマエルは謎多き天使（あるいは堕天使）とされる説もあり、カマエルと同一視される事もある。

　それが村という小さな世界から追放され、異端者が追放されない世界の為に戦う、自分の空間から他人を廃する能力をもった男のコードネームだ。