容姿・経歴・その他メモ

５年ほど前にこの世界にやってきた女
混乱こそしたが、人々の優しさに触れあうことでいつのまにか馴染んでおり、元より人が好きな性格なのも相まって、この世界での平穏を誰よりも楽しんでいた。
しかし、それも束の間。
拾ってくれた恩人も、優しくしてくれた町の人も、共に遊んだ友人も
全部全部失った。
やはりどこにいっても奪われるのだと、と火の海に沈む世界を眺めながらそう思った。
けれど絶望はしない。なぜなら知っているから、人は最後まで抗える強い生き物なのだと。

そして、偶然か必然か.....
【グングニル】に拾われる数日前
新月の夜、まるで誘われるかのようにして森の奥へと進んでいけば、何にも照らされることなくただ闇に佇む巨大な機体を発見する。
「おいで」と呼ばれた気がした、それに応えるのが正しいと感じた。なぜかは判らないが、どうしようもなくそう思えたのだ。
手が触れる。刹那、脳内に美しい女性の声が響きただ一つ言葉を告げる。

「シュブ＝ニグラス」

同時に霧亜の意識は闇へと沈んでいった。最後に微かに視界に映ったのは
自分を取り囲むように伸びている無数の触手と、空の景色全てを覆っていた巨大な「口」だった。

履歴

シュブ＝ニグラスは霧亜を最高の素体と格付けた。
いつかこの世界に降臨するための贄であり、子を孕ませる母体である。
そのため、シュブ＝ニグラスを起動し操作できるのも、この苦しみを味わうのも霧亜のみである。

本来であれば、機体を起動した際にパイロットは即座に精神を浸食され発狂してしまう
母体として認められた霧亜のみ、シュブ＝ニグラスの加護を受けているため少しの精神ショックで済んでいる。それでも起動するたびにダメージがあることに変わりはないのだが...。

しかし、これは母体として霧亜を蝕むための工夫にすぎない。
特に＜アンリミテッド・オーバードーズ＞を使用すたびに注入される女神の乳によって、強敵との戦闘を行えば行うほどその体はよりシュブ＝ニグラスの思惑通りに浸食されていく。

もしこのまま激しい戦いを続けていけば、霧亜は母体としての完成を果たし、子を孕ませ、この世界の新たな神として召喚されることとなる。
そして霧亜はこのことをなんとなくではあるが薄々感じ取っている。だがこの苦しみは、自分だけが抱えていればいいと考えている。現状の人類の絶望的状況をなんとかできる希望があるのは、この機体に自分だけが乗れるからであり
「今」を超えない限り「未来」はやってこないのだと、使命感を胸に前を進む強い意志があるからだ。

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