能力は時間操作なのだが、失われた青春は戻ってこないのだと大人になってから後悔しており、そのような素振りは一切見せないものの、今できる楽しいことを目一杯追い求めて生きている。
自由に人生を謳歌しているつもりだが、UGNという組織に留まりながら、世界を変えようなどという大志も抱かず、任務は忠実にこなし続けるサラリーマンエージェント。
そんな退屈な日々を、マッチングアプリで出会ったサクラという運命のヒトが変えてくれると淡い期待を抱いているーーこの108人目の運命のヒトなら、きっと。

戦闘時はコインを弾いて戦う。かつて、同期のチルドレンから貰ったなんの変哲もないゲームセンターのメダルにはバロールの力が込められており、長年レネゲイドに蝕まれ続けてきたことから深刻な汚染を受け、賢者の石にも匹敵する濃度を宿している。
コインが弾かれ、その手に戻る間だけ、日影は時間を自由に操作できるほどの力を有する。

コードウェル派が離反し、不安定になってきたUGNという組織内で手の内を明かすのは危険だと判断した日影は、自身の能力が視覚的には目立たないことも相まって、ノイマンであると自称している。
いい加減な助言や指摘をする度、オルクスとバロールの力を使ってその言葉通りの現象を引き起こして信じ込ませている……のだが、調べればすぐに嘘であることはわかるし、嘘だと指摘されれば「うん、嘘だよ」とすぐに認め、自分の能力を打ち開けもする。

「共存とか、理想とか、未来だなんだのと、興味ねえんだよ。フツーの奴が気にしてることなんてせいぜい、明日から仕事始まるの嫌だなとか、今日は帰りに何かうまいもんでも食って帰ろうかなとか、あの子は自分のことどう思ってるのかなとかそんなもんよ。危ねえけど、何も出来ねえ俺が能力買われて、そこそこの収入得られてる今に、むしろ感謝したいくれえさ」