容姿・経歴・その他メモ

昔々、あるところにシンデレラという灰に塗れた少女がおりました。
彼女は継母達から酷く虐められていました。
ある日、継母達は自分達だけ着飾って舞踏会へ行ってしまいました。
シンデレラはとても悲しみました。
そこへ魔女が声を掛けました。
魔女に魔法をかけてもらったシンデレラはとても美しいドレスで着飾り、
豪華な馬車で舞踏会へと向かいました。
シンデレラは舞踏会で王子様と出会い、とても仲良くなります。
しかし時間が来てしまいました。
シンデレラは逃げるように王子様のもとを去ってしまいました。
呆然とする王子様の元には、彼女の履いていたガラスの靴が残されていました。
後日、シンデレラのもとへ王子様が来ました。ガラスの靴を手にして。
ガラスの靴がぴったりとハマったシンデレラは、王子様と結婚して幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。

彼は両親から虐められていた。
彼には親戚もいたが、目を背けるように誰も彼を相手にしなかった。
彼にとっては最悪の日々であった。
まだ子供であった彼にとって、家族は彼の世界のすべてだった。
その家族が、そんな様子だったから。

そんな時、声をかけてくれた友人がいた。
その友人は彼に色んなものを見せてくれた。
文字通り、彼の人生が変わった瞬間だった。

ある日、彼はその友人の伝手でとある少女と出会った。
一目惚れ、というやつだった。
幸い彼女もそうであったらしく、彼らはすぐに付き合い始めた。
結婚しようぜ、半分冗談だった。でも半分は本気だった。

そんな幸せも長くは続かなかった。いや、断ち切ってしまった。
初めての大喧嘩で、ついカッとなって彼女をはたいてしまった。
彼女の頬には深い切り傷が、自分の手には彼女の血に染まった鋭利な結晶。
気がつけば家を飛び出して夜の中を走っていた。
彼の生活は最悪の日々に逆戻りした。

友人や彼女からの連絡が怖くて、彼はすぐに携帯を壊して投げ捨てた。
幸い壊すのは簡単だった。彼女を傷づけた結晶でバターでも切るかのように微塵切りにした。
それからしばらく、彼はホームレス同然の生活を過ごした。
路地裏や廃墟で生活して、そこらの人間を殴り飛ばして金を奪った。
当然警察も来たが、殴り飛ばして追い返した。
UGNがそんな彼に気づかないはずもなく、すぐに彼のもとにエージェントが派遣された。
それでも彼は全力で抵抗したが、あえなく御用となった。

そして彼はその大立ち回りの現場を見ていた霧谷雄吾に直々に保護され、
"泥まみれ(シンデレラ)"のコードネームを与え(押し付け)られた。
以来、彼は不良学生を続けつつもUGNエージェントとして生活している。

彼女達との連絡は、未だ取れていない。

※
友人と彼女は彼のことをただただ心配している。
幸い彼女の顔の傷は何ともなかった。しかし薄くではあるが傷は残ってしまった。
傷口の中には小さな結晶のかけらが残っており、彼女は彼が戻ってくることを祈ってそれを大事にしている。

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