物心がついた時にはＦＨチルドレンとしてレネゲイドコントロールの訓練を受け続けており、身元を確かめる数少ない所持品が赤ん坊の頃に着ていた衣服と、その裏地に刺繍された自分の名前だけだった。

　任務中の言動から、一見すると発狂しているかジャーム化していると勘違いされることもあるが、彼女独自の理論や価値観を基準としての行動であり、少なくともＦＨを盲目的に信奉している訳ではない。むしろＦＨの危険性やＵＧＮが単純な悪の組織ではないことを十分に理解し、向き合い、その上で自分なりに思う所があってＦＨに所属している。しかし、それを理解できる人物は少ない。

　ＦＨの欲望を育てる為の「訓練」の一環として、任務や訓練で失敗すると何日も食事を与えられず苦しんだ経験から、食事に対してはかなりのこだわりを持つ。初対面の（味方と判断した）人物にはお近づきの印として、大量に持ち歩いているお菓子を差し出してくる（その割には衝動は飢餓ではないのだが）。

　実は隠村家は平安時代の頃から続く陰陽師の家系であり、春日一族同様、代々オーヴァードを輩出する名門。春日一族との関係は時代ごとの情勢によって、時に協力、時に敵対を繰り返していた。
　恵瑠の両親は、その分家の更に分家の…とオーヴァードのことは知識の上でしか知らない程度の、良くも悪くも普通の家庭に近い立ち位置だったが、恵瑠がオーヴァードとして生まれたことによって発生したＵＧＮとＦＨの抗争に巻き込まれて行方不明（高確率で死亡）となってしまう。その後、恵瑠はＦＨに引き取られることとなった。

　通常ステージの世界線でもＦＨチルドレン。その場合はコードウェル博士直属の部下である「使途」の１人であり、マスターレイス候補の１人。博士のことを「先生」と呼び慕う。