特徴的な紫の髪をした、無口な少女。
先に冒険者となり故郷から飛び出していった親友を追って、大都市までやってきた。
彼を見つけ、ともに冒険するのを楽しみにしている。


彼女の家系について：かつては名のしれたリカントの戦士を多数輩出する名家だった。しかし、時代とともに権力争いによって立ち位置が弱くなっていき、今は辺境の村に幾人かが残るばかりである。


引っ込み思案で同年代の友達がいなかった彼女にとって、かつては誰かと過ごすより美味しいご飯を食べる事の方が好みであった。とある理由で溺れかけていたところを人間の男の子に間一髪で助けられる。それがきっかけで今までほとんど話したことがなかった人間と関係を持ち始める。

彼とはそれ以降、度々村の端にある森の近くでよく遊んでいた。彼女が食にほぼ関係ない薬学関連の知識を得られたのは、そこでの経験によるものだと言っても過言ではない。彼と関わることで様々なことを学んだし、彼もきっと様々なことを知っただろう。何よりも、彼から誕生日プレゼントとして貰った木彫りの髪飾りを補強しつつ今でも大事に使っているあたり、彼女にとって彼はとても大きな存在である。
冒険者の存在については、興味津々だった彼からたくさんのことを聞いた。危険な職業であることは理解しているが、冒険者のことを話すときの希望に満ちた彼の眼差しを信じ、冒険者になることに決めたようだ。それに、世界中を旅していれば美味しいものがたくさん食べられるだろう、とも考えている。

14歳になった頃、一足先に成人した彼は故郷の村を飛び出し冒険者となった。初めは自分だけ置いていかれたことから塞ぎ込んでいた彼女であったが、後々発見した彼の置き手紙に彼女の身を案じつつ大都市へ向かうことが明記されていたことから冒険者への夢を思い出し、気持ちを切り替えた。
成人するまではかつて冒険者だった知り合いに稽古をつけてもらっていた。師匠は何度か死んだこともあるらしく、その独特な死生観に多少影響されたこともあってか、今まで以上にご飯に執着するようになる。成人した際に家の未来を家族から託され、晴れて冒険者となった。重いものを持つのはあまり得意ではないが、先祖の魂の加護を信じる家族から大剣使いを強く勧められ、師匠も彼女の稽古にあたって大剣を振るっていたことから戦士職をとったようだ。


趣味はおかし作り。そして、美味しいご飯をいっぱい食べること。

最近は仲間の前で物怖じすることが無くなったうえ、なんなら自分から美味しい料理を作ろうと一流のコックを目指して努力を続けている。

「…何、見てるの」
「うん。…お腹、すいた。」
「ごはん、一緒に食べる？」

なお、彼女自身が耐えきれないほどの空腹を感じると「ごはん！」位しか言わなくなる。