幼い頃に大病を患い、ほとんど病院のベッドで寝たきりの生活を送っていた。
病によって両手も動かなくなり、周りの人間にできることができない彼女はよく癇癪を起こした。
つきっきりで看病していた母親はそのうちに心を病んで逃げ出し、残されたのはこちらに全く興味のない父親だけ。たまに必要なものを持ってきてはほとんど話もせず去っていく日々。それでも彼を父としてある程度愛していたし、親としてそれなりの愛情を持っていると信じていた。

病院内がにわかに騒がしくなったあの日、すべては変わった。
緊迫した空気に何事かと思いつつも、動けない彼女はベッドから外の様子を伺うしかない。
珍しくきていた父親が事情を把握しようと外に出て行こうとした時、白衣を着た何かが現れた。
お医者さん？いや、そうではない。人間からこんなに炎が立ち上るわけはないし、触手も生えていない。
目の前に現れたそれを一瞬凝視して固まった父は、隙間を縫ってその場から一目散に逃げ出した。
そう、逃げたのだ。悍ましい怪物の前に娘を残して、こちらに一瞥もせず。

怪物が触手をこちらに伸ばして拘束し、得体の知れない薬物を注射されても、抵抗することはなかった。最後の希望が潰えた彼女にとって、もうこの人生に意味を感じられなかった。気の遠くなる感覚に、これが死というものか、と幼心に思いを馳せた。


気がつくと目の前には怪物ではなく見知らぬ人達がいた。場所も別の病院のようだった。
身体を動かそうとした時気づいた。体が軽い。何より、腕が動く。これは夢だろうか？

自分がオーヴァードと呼ばれる存在になったと教えられた彼女は、自分を助けてくれたという青年に教えを乞うた。彼は厳しくも優しく指導してくれ、剣の腕はみるみる上達した。


正直に言えば、あの時自分に"実験"を行ったあの人には感謝をしている。あれがなければ一生孤独に寝たきりの生活を送っていただろうから。
そしてあの父親のように誰かを見捨てる大人にだけはならないと固く誓った。支部長になった今、よりその信念は強くなっている。



必殺技の名前は10代の頃に考えたので、あんまり触れてほしくないなと思っている。恥ずかしいから。

PC3
ワークス/カヴァー : UGN支部長/任意
シナリオロイス : 遺産"エレウシスの秘儀"
推奨感情 P:謝辞/N:背徳感
秘匿HO:有
君は神奈川県近郊のMM地区支部の支部長だ。
君は"リヴァイアサン"から指示を受け、遺産"エレウシスの秘儀"確保の作戦に携わることになった。
この遺産に関係すると思われるレネゲイド災害は過去にMM地区でも発生していたこともあり、君は快諾するだろう。
遺産を所持する"前継者"マスターレギオンは東京へ向かう豪華寝台列車マリンスノーに乗車しており、君は横浜駅でそれを強制停車・包囲する作戦を立てた。
当然ながらこの作戦による被害は大きいだろう。本命であるPC1が上手くことを進めれば良いのだが…。