容姿・経歴・その他メモ

親から逃げるように家を出てから、奨学金などを使い無事に大学を卒業した。在学中にできた彼女とは婚約をしており、彼女の両親からも気に入られたため卒業後には彼女の父親と関りの深い研究所で研究に励むはずだった。しかし、彼女と出かけていた矢先にジャーム化したオーヴァードが暴走するという事件に巻き込まれ、彼女はその巻き添えを食らってはるか遠くの方へ吹き飛ばされた。「あの勢いで吹き飛ばされ、そんな高所から地面に叩きつけられたら、間違いなく即死だろう。そもそもあんなデタラメな攻撃を受けているのだ。無事なはずがない。きっと彼女は死んだ。」そう直感しかけたその時、彼の中で何かが蠢いた。「彼女が死んでしまった？嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ噓だ嘘だそんなことはない認めない違う彼女はすぐそばにいる死んだわけがないありえない噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ！」いくつ面があるのかわからない、別の人格が首をもたげていた。激しい怒りに我を忘れ、突如として覚醒したオーヴァードとしての能力によりかの事件は終息を迎えた。その後彼はUGNに引き取られ、表向きはただの研究熱心な科学者として生活するようになった。だがこれ以降彼は様々な妄想や幻覚、記憶喪失といった精神病に苛まれている。さらにはもともと険悪な家庭環境のもと育ったことによる統合性失調症は精神の不安定化により格段に悪化している。現在彼の目の前には婚約者であった『神楽坂　藍那(かぐらざか　あいな)』という女性がおり、彼はいつも楽し気に彼女と会話しているが、彼女はもう死んだことになっている。彼女の両親はそんな彼に同情しつつも、研究に支障が出ているわけでもないので触れないようにしているようだ。

履歴

《好きなもの・趣味》研究・あの人・美術館巡り・読書・甘いもの

《嫌いなもの》暴力・オバケ・荒事・納豆・辛いもの



加えて彼はかのオーヴァードのようにジャーム化することをとても恐れており、いつも自分がジャーム化したらどうしよう、誰かが自分のことをジャーム化させようと襲ってくるのではないか、あいつももしかしたらオーヴァードで自分に手をかけようとしているのではないか、もしジャーム化してしまったら彼女は受け入れてくれるだろうか、もし受け入れてくれても彼女が受け入れてくれた僕を僕は受け入れられるだろうかと恐怖からあらぬ妄想に取りつかれている。精神状態はいつも不安定だが、さらに不安定になることで別の人格が表に現れてくることもあるが、どれだけ精神が不安定になっても彼の見ている藍那の幻覚が消えることはない。子の幻覚は一時的な恐怖などから来るものとは違い、彼が現実を強く拒みすぎたがゆえに精神の奥深くに根差した状態であり、彼の脳には彼女が死んでしまった記憶など一片たりとも残っていない。また、彼には自分が狂っているなどという自覚は無い。他者から指摘されたとしても強く否定するだろうし、彼女に似た人を見ても、彼女に扮した者が現れても彼はその人になんの関心も示さないだろう。彼の傍らには、彼にしか見えない彼女そのものがいるのだから。


※『神楽坂　藍那』は死んでいない。運よくUGNのオーヴァードにより救出され、彼女自身もオーヴァードとなった。彼女は彼が無事であり、自らの今いるところと同じ場所に所属したと聞くとすぐ「UGNに所属させてほしい」とだけ言い、返答も聞かずにいの一番に彼と接触したが彼は前とは打って変わって彼女のことを覚えていなかった、というより心底どうでもよさそうな視線を投げかけられ、その変貌の理由について調べ上げ、彼の精神状態を知った。今彼女はどうにかして彼を元に戻せないか、何か解決方法はないのだろうかと残された道を探し続け、彼との日常を取り戻すため非日常へと身を投じた。

セッション履歴