容姿・経歴・その他メモ

細身であまり外見に目立つところのない高校2年生、陸上部所属。
授業態度は真面目、成績は中の上で得意科目は地理、苦手科目は英語。友人は多くも少なくもない。
日々インターハイに向け励んでおり、中学生の頃から毎年いくつかの賞状とトロフィーを得ている。

生まれつき心臓が悪く、闘病における運動療法の一環としてジョギングを日課としていた。
一時期は入院生活を余儀なくされたこともあるが、現在は運動するのに何の支障もない。
才の有無は兎も角、走ることには長年の継続から来る信頼と自負を持つ。
長期入院のせいもあり両親には"生きてさえいればいいや"と甘やかされた一人っ子――と思いきや、
その分祖父が厳しく躾けたおかげか責任感の強い性格である。たまに思考が古風、根性論を口にする。
両親は愛しているがその優しさはどうにも座りが悪く、呆れることもしばしば。

高校入学当初から綾瀬真花を気がかりにしており、一年強をかけて、ふと居合わせた際に雑談できる程度の仲になった。
話の弾みに「大会、頑張って」と綾瀬がくれたミサンガは、死んでも外さない覚悟と共に足首を飾っている。
もとい誰にも見えないよう大事に靴下の中にしまっている。
一位の栄光を得た暁には、通学路の少し背伸びした喫茶店にきっと彼女を誘うのだ。

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――そう決意していたのだが。
晴天の霹靂、シンドロームの発現によりその日常は崩壊した。
レネゲイドウィルス、ジャーム、ファルスハーツーー……。
決して人として生きること、元の身体に戻ることを諦めはしないが、
日常の裏側で暗躍する者たちを止めるため、『CrumbleDays』の事件後はUGN日本支部にイリーガルとして所属することを決意する。
一癖ありそうな教官からのレクチャー、イリーガルとしての初任務。
「こちら側」の住人としての歩き方を学んでいくこととなる。

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発現当時のシンドロームはキュマイラのピュアブリードであったが、
イリーガルとして訓練を受ける中でバロールとしての力も発現。
肉体を「反転」させ、己を魔眼と化して周囲の重力を操るこの世ならざる獣の力である。
ワイルドカードが示す新たな可能性だが、力の行使には渡江自身に多大なリスクを孕む。
故にか、担当教官からは"肉体変化は左腕のみに留める"ことを言い渡されている。

しかし、未だに渡江は何者にも成り得ぬジャック（jack of all trades）である。
世界や自身の変貌は不可逆なものではなく、レネゲイドウイルスを人類が「克服」する未来が訪れると彼は信じている。
人として生きるオーヴァードは人なのだ。

そして、それを証明できるとするならば――。

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