カラーコード：
#F6BFBC　虹色　
#a4d55d　瞳
#f2e4e2　髪


『レド』/須田景凪　『才悩人応援歌』/BUMP OF CHICKEN
過去：『蜘蛛糸モノポリー』/Sasakure.UK

双子共通：『透明水彩』/ヤスオ　『パレイドリア』/須田景凪

コードネーム元：『Over the Rainbow』/ミュージカル映画『オズの魔法使い』より、ジュディ・ガーランド
→英題の語感からの捏造英語。雨雲の彼方に佇む弓から、空を駆け征く虹の矢。
恐らく、この曲を両親のどちらかがよく口ずさんでいた。

基本として両手首から強く生成されている。
数多のソラリスの例にもれず未知の薬物だが、幻覚剤の成分に近い、という分析結果がUGNから出ている。
淡く照り輝いており揮発性が高い。光の加減で虹色に見えるが、薬物からの視覚麻痺で虹色に見えるのではとも。
グローブのこまめな交換は欠かせなかったりする。

床から天井まで、すべてが白いUGNの病室。
濃紺の髪をした少女の、小さな泣き声が響く。

「なんで、あんな、ヒドいことをしたの？」
「わたしが悪い子だから、いけなかったの」

レネゲイド覚醒直後とはいえ、寝台に臥したままではなくて。
もし、目の前の人物を抱きしめてさえいれば気づけたかもしれない。
同じ背丈、誤差はあれどまだ近かった体つき、彼女が気を失うまでと全く同じ髪の色に。

「お母さんを返すから、私も帰るから……だから、あんなひどいコト、二度としないで」
「また、みんなで一緒のウチで暮らそうよ」

ただし、コレだけは訂正しなければならない。
か細い声で、片割れを呼ばなかったのは、彼女の無意識の思慮によるものだったと。
自由を信じている片割れは、彼女の思う家にはもう、入りたがらないかもしれないと。
離すことができなかった手を、放すべきかもしれないと。

「おとうさん」

片割れへの思慮と、心の底で求めていた幻影が、ごちゃまぜになって。
結局は繋いだままだったその手が、彼を苦しめて、長く縛り付けることとなる。

『……ああ、おとうさんも、あいたかったよ。からん』

片割れが【悪い子】だったとは、口が裂けても言えない。
この時、彼が自分自身に初めてついた嘘は、たったそれだけの理由だった。

「(なんで、よりにもよってオレが、アイツなんかにみえてるんだよ)」
「(おれは、こうしょくだよ。おまえのふたごだよ)」



バカみてえな虹色が、オレの手首から出続けてるのに、透明にでもなった気分だった。
そう、彼は後に語っている。