容姿・経歴・その他メモ

彼女の両親はレネゲイドウイルスの研究者であり、実験の為なら犠牲や手段は厭わない、所謂「マッドサイエンティスト」と呼ばれる様な人達であった。

彼女は、その時の実験体としてレネゲイドウイルスに感染させられた。

しかし、両親は彼女を利用した実験を「失敗」と判断、そのまま親戚の家に押し付けた。

だが、その時の記憶は彼女には無い、彼女が覚えている一番古い記憶は、8歳の時の事、両親の親戚と一緒にいた時だった。

その人はいつも両親の悪口を言っており、「お前もいつかそうなる」と言いながら、何かと理由を付けては彼女に暴行を加えていた。

他の人や子供達からも化け物と言われ、いじめられていた。

唯一の楽しみは、自分の能力で色々作る事。

他の人に見つかるとまた殴られたりしたので、誰もいない時にしか出来なかったが。

そんなある日、親戚と、知らない女性が話していた。

その時の記憶は殆ど無いが、あの時言われたひと言だけは明確に覚えている。
「ウチにはいらないです、あんな化け物」

彼女を引き受けたのはUGNでレネゲイドウイルスの研究をしている姫宮由里香であった。

由里香からレネゲイドウイルスやオーヴァードの事について教えてもらい、自分が役に立てるならと、彼女はUGNチルドレンの仲間入りすることを決めた。

UGNチルドレンとして訓練を続け、オーヴァードの戦闘員として優秀な成績を取り、UGNエージェントの一員として働く事になる。

彼女がまだ、14歳の時であった。

その時、同年代の女の子とバディを組み、幾つかの任務をこなしていたが、バディの女の子がジャームに変わってしまった。

ジャームになってしまった事には衝撃的な出来事であったが、それは問題では無かった、問題だったのは、衝動任せにバディの子が放った言葉。

「才能もないアタシの事、ずっと心の中で馬鹿にしてたんでしょ？アンタの事を見てると、ずっとムカついて仕方ないのよ、本当、死ねばいいのに」

これが、彼女の本心なのだと、今日子は本能的に理解した、そして、勝手に友達だと思い込んでいた自分に絶望した。

そのジャームは自らの手で討伐したが、彼女の言葉と、彼女を撃った時の感触は未だに忘れられていない。

数ヶ月程休んだ後、彼女はUGNエージェントとしての仕事に戻る事を決意、次のバディは、少し年上の男の人であった。

第一印象では、気さくで明るい人であり、今までの辛い出来事も一緒なら乗り越えられそうだと思っていた。

だが、彼はFHのスパイであった、そして、UGNの情報を流すだけ流した後、その時の容疑を全て今日子に被せようとしていたのだ。

UGNエージェントの綿密な捜索、特に姫宮由里香の協力もあり、自分の疑いは無事に晴れたが、容疑をかけられているときの周囲の眼差しは、彼女の心に深い傷を付ける事になった。

彼女はもう、人を信じる事が出来なくなっていた。

これが彼女が16歳の時の出来事である。

14歳から16歳までの間
銃による自殺3回
首切り1回
服毒1回
全て未遂だったとはいえ、彼女は自殺を合計5回行った。

ただ、どの方法も、普通の人間なら即死の筈だった、全てオーヴァードの力のせいで生き延びてしまったのだ。

そして、彼女の戦闘用員としての優秀さを知っているUGN職員達は、FH入りや、ジャーム化する危険性を考慮し、彼女が去ることを決して許さなかった。

力のせいで死ぬことも出来ず、力のせいでUGN以外の居場所も見つけられず、今日子は自分の生きる意味を見出だせないまま、今日も他人に怯えて生きている。

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