容姿・経歴・その他メモ

髪

黒

瞳

黒

肌

黄

一／二／三人称

自分、あっし／あなた、あんた／彼、彼女

「蓼沼鍍。アルバイトです、変装と潜入、あと運びができやす」
「このリオのカーニバルは気にしないでくだせえ。あと特に、近くにいると聞こえてくる女の悪態だの口説きだのも流してくだせえ。全部幻聴です。だァァ(地面に帽子を叩きつける)」
「現状、ええ、特に不満はなく。食いっぱぐれず、休みも取れて、何より理由が分かりやすい。適材適所ってのァいい言葉だ」


　学生寮個室にひとり暮らす男子高校生。寡黙で朴訥、自然体、どこか惚けた印象を与えがちな少年。人付き合いや会話が嫌いなわけではないが、油断すると出がちな江戸訛りを気にしている。渋好みで気が長く、大人びていると言うよりはややジジ臭い。濃い緑茶とブラックコーヒーが好き。
　遺産『祈りの造花』の契約者であり、UGNに協力するイリーガル。高等学校の卒業後は正式にエージェントとしての立場を得る予定。ありがてえ話だ。

　4年前、学友だったUGNチルドレンの手引きで組織に関わるものの、2年前にジャーム化した彼を殺害している。

　人種不詳。日本に違和感なく馴染める身体特徴を有し、おそらくはアジア系。
　大陸側で運用されていた元少年兵。ノイマンシンドロームの覚醒も、実験・調整の結果である可能性が高い。その辺りの記憶は定かではないものの、行動原理・価値観として命の遣り取りに対し躊躇いがない(ワークス：暗殺者)。

　兵器に近い扱いを受けていた約10年前、事故的に『祈りの造花』と契約。その協力により密輸船にて戦場をを脱出し、日本領海にて転覆した船より海岸に漂着。身元不明の子どもとして保護されたのち、現在の戸籍を得た。染み付いた江戸訛りは、特に好んだ時代劇から日本語を学んでいたことに端を発する。
　上記経歴は13歳時点まで発覚しておらず、偶発的なジャームの撃退を同級生だったUGNチルドレン・ 春村(はるむら) 数紀(かずき)に目撃されたことで組織に身柄を確保され、その時点で記憶を頼りに明かしたもの。以降はUGN日本支部への協力を条件に日常の存続を許され、現在に至るまでイリーガルとして活動している。

　旧姓名、蓼沼 渡(わたる)。同じ児童養護施設に身を置いていた数紀からは、亡父と同名という理由から気に掛けられていた。
　学友の処分後、彼の父親である春村渡が一家心中事件の犯人であること、数紀がオーヴァードとして覚醒したのはその死によるものだということを知る。中学卒業と同時に、正式な改名手続を経て現在の名前を得ている。

契約遺産「祈りの造花」
識別名称: Arte=Ars(アルテ・アルス)

『ドむくつけき面子ですわね、嘆かわしいこと。わたくし終わるまで寝ますわ』
『どうぞアルテとお呼びくださいまし、かわいらしいお嬢さん。わたくしとお友達になってはくださいませんこと？』
『離しなさいメッキむさ苦しい！ええいわたくしに肉体さえあればッもうちょっとでイケましたのにッあとちょっとで落とせましァア゛あ゛！(助走をつけて叩きつけられる)』


　蓼沼鍍と契約する、明確な自我を有する遺産。モルフェウスシンドロームの結晶体であり、蓼沼鍍がクロスブリードとされる理由のひとつ。彼自身は厳密に言えばノイマンシンドロームのみの罹患者なのだが、遺産を通して銃火器の生成および改造を可能としている。
　外見を遺産側の自由意思で決しており、普段は帽子の形を好んで取る(EE《テクスチャーチェンジ》解釈)。半径数メートル以内にいる対象にテレパシーで話しかけることも可能。

　女性的な口調で上品ぶってはいるが、かしましく我儘で気分屋、欲に忠実。そしてとにかく女好き。老若を問わず女性の側にいたがり、鍍から物理的な制裁を加えられている。契約者が男性である現状は非常に不満であるらしい。
　独自の美意識を高く持ち、帽子の姿を取るのは鍍に引き立てられたいから。契約者が芋男なのはもう仕方がないが、せめて調和する美しい姿でありたいとのことで、あくまで主役は己という主張。ただし機嫌が悪いと学ランの少年とちぐはぐな姿にメタモルフォーゼする嫌がらせを行う。孔雀の羽付きサークレットなど。

　正体は「並行世界のなり損ない」、形を得られなかったパラレルワールドのひとつ。他世界と同様“すべて”となりうる要素を包含するが、観測者となる生命が生み出されなかったため実在できなかった。腑分けされなかった原初の洞。
　しかし実在する他世界に「異界」の概念・信仰が生まれたことにより、存在を定義・観測されるという世界同士の摩擦が発生する。二者間に生じた境界線そのものであり、なり損ないの側で初めてひとつの方向性・意思を持ったもの。

　上記はあくまで本人(？)の主張であり、真実である確証はどこにもない。各地の異界信仰・伝承を拠り所としてモルフェウスシンドロームが結晶化・意思を得たEXレネゲイドであり、自我形成の認識は妄想によるものというのがUGNの見解である。

　分析と再現の能力を有し、契約者の意思で境界内部(今回の発現では「帽子の中」が該当)に入れられたものを分解・学習、複製および契約者の知識に基づいて改造することが可能(⑨《ハンドレッドガンズ》・EE《万能器具》解釈)。
　ただし生命や自我を有するものは「中」になく、また存続できないため再現ができない。

　性質として形而上のものに近いため、発現が非常に不安定、常に消失の危機に晒されている。時空間との相互影響も極めて弱い。自己存続・確立に執着し、存在の因果律として「観測手としての知性体」を強く求め、同意を得た対象をアンカーとして実体化しようとする方向性を持つ。
　早い話が、ポップした先にいた人間が命綱。今回の発現が戦場のど真ん中であり、たまたま目の前にいたのが薄汚れた少年兵だった。意識の覚醒と同時に、土埃と硝煙漂う戦場からの脱出を決意。自我が希薄な契約者を叱咤する形で密輸船へと連れ出した。

　密航時、元少年兵は武器密輸船の乗員全員を殺害し、積載品のほぼ全てを遺産に放り込んでいる。

　石製の造花の原型は、複数回に渡る発現の中で確立した願望───永続／不変と生殖／繁栄という相反するそれの具現であり、自覚を通じて形にしていったもの。開花を嘯き、結実能わぬ無為の祈り。己が持ち得ない権能、「産み出す」かたちを有する生命体雌性を偏愛しており、女性的な振る舞いはその憧憬を理由としている。
　かつて、どこかで仰がれながら呼ばれた名を覚えてはいるが、男性性を仮託されたものであるため気に入っていなかった。現在の識別名は「芸術」に寄せたもじりとして自分から名乗り始めたもの。


　最奥の神、澱む霧、融合牢獄、底の底。

意識・把握できている影響元作品およびキャラクター:
・衛宮切嗣、久宇舞弥／「Fate/Zero」(虚淵玄)
・キルシオン・バイサス、プリムソード／「ドラゴンラージャ」(イ・ヨンド)

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