UGNエージェントの両親から産まれ、弟や妹と共にチルドレンの教育施設ですこやかに育つ。
物語の好きな子どもだった。芝居やアニメ、漫画のヒーローの様に、誰かを守れる人でありたいと思った。

12歳の時から戦闘班として活動を始め。様々な状況を経験する。
任務中にジャームになった友人を匿おうとして、その友人に殺されたエージェント。
FHとの対話を試みてUGNを離れ、情報を抜かれて謀殺されたチルドレン。
友人を守ろうとする意志は、尊いものだ。
対話を試みんとする意志も、尊いものだ。
なぜ彼らは死んでしまったのか。
彼らには何が足りなかったのか。

西京は「暴力」にそれを見出だした。

ジャーム化した同僚を匿いたいのなら、人に仇為す前に責任持って即座に殺せるだけの暴力が必要だった。
敵と対話のテーブルに立ちたいのなら、対話のテーブルから離れた瞬間に殺せるだけの暴力が必要だった。

西京は、元より優れていた暴力の才能を、さらに鍛え上げていった。
より多くを守れるように、より多くと話せるように、──より多くを殺せるように。
もっと強い力(ハイパワー)を。もっと、次元の違う強い力(ハイパーハイパワー)を求めて。
弟妹が、そして彼自身が憧れるヒーローを目指して。彼は今日も暴力を磨くのだ。