この女は、生ける魔導書は

クトゥグァ信者と恋をし、駆け落ちをした。

子を成した。

ーーー無論、報復もあった。


子は見せしめに覚醒させた後、クトゥグァへの生け贄として捧げられかけた。

裏切り者のクトゥグァ信者と、『無垢なる魔導書』は、子を取り返そうと向かった。


そうして、男は自分がいた教団を潰し、
子どもは父親を『嘲笑いながら』殺した。


『無垢なる魔導書』、あるいは、『無垢なる者』は

『死者蘇生』により、奇跡的に、あるいは、『邪神の思惑通り』に愛する男を『よみがえらせた』


さて
これは慈悲か？大団円か？

無慈悲なる観点から、紐解いていこう。


・クトゥグァの教団はもうない
男とその子供が潰したから

・男は『よみがえった』
子供が一度殺し、女が死者蘇生を用いたから

・子供は『貌の一つになった』
クトゥグァ信者の生け贄にされかけたから

・子供は何故生まれたか
男と女が駆け落ちしたから

・『女は何者なりや？』
生ける魔導書。かつて、彼方の惑星シャールノスに封じられた化身を喚ぶ為の媒体とされた魔導書
『暗黒の大巻(Alsopho-cus)』のレネゲイドビーイング


クトゥグァ信者は、女の傀儡となったのだ。

呪文を逆さに読めば(・・・・・・・・・)いつでも消せる傀儡に。

そして、新しい貌と器も得た。


無垢なる化身は、ただ無垢なるままに、無貌の神の化身として、大いなる企みを
あるいは、ささやかな嫌がらせを実行して行くだろう。

あるいは…
最もあり得ない話だが…ただ単に、『気に入った人間の味方』なのかも、しれない。