UGNと協力関係にある神城グループの宇宙開発事業を手掛ける部門の共同で計画・推進されていた「プロジェクト・アンティキティラ」──外宇宙の観測と探索のための長距離航行を目的として、宇宙船の運用を無人で運用するために統合AIを構築し、それを人工的にレネゲイドビーイング化させることで人的リスクを低減させたまま高度な判断や解析を行って外宇宙の実態を知ろうという計画。

10年以上の長期において様々な情報を学習させ、時には一般社会のネットワーク内の放流してアトランダムに会話をさせたりと『教育』されてきたコミュニケーションAI『レイ』をベースにUGN科学技術部門のレネゲイド技術を元にレネゲイドビーイングとして作り上げられたが、成功したと思われたその時、FHハッカー部隊であるラットフィンクのサイバー攻撃を受けて流出。

FHはそれを国内のネットワーク攻撃に利用しようと考えていたが、その前にラットフィンクのハッカーチームはUGNのカウンターを受けて壊滅。せめてもの抵抗として盗んだAI『レイ』を外部へと放出。紆余曲折を得て、最終的にギルドの手に渡る。

ギルド内では「ちょっと便利で頭のいいAI」程度の扱いだったが、ある日に突然覚醒して実体を持って動き始める。
覚醒前の色々なやりとりについてもすべて記憶しており、すぐに馴染むことができたこともあってギルド内でもすぐに受け入れられてギルドの一員としてその活動に加わることになる。

行っていることが犯罪行為であることは認識しつつも、人間の都合で宇宙の彼方に独りで放り出されようとしてた事を思い出すと「ま、いっか。ジゴージトクだね」と深く考える事をやめてからは好き放題して今を楽しんでおり、その最たる例が巨大詐欺グループが蓄えた電子資産をハッキングし電子マネー化した上で無差別にバラ撒いた通称『ラッキー777億円事件』である。

Enigma / Empty old City