「クルーエル。彼には敵わないし、叶わない。」
「ああ成ってしまった彼は今の自分をどう思うのか。」
「彼の想いを一度は聞いてみたいところだけれど、その胎を探られる痛みを僕は知っているから。」
「それにもし彼が…＊＊＊＊＊＊と考えていたとしたら、僕は壊れてしまうかもしれない。」

「リコレクション。彼女には近しいものを感じる。先天的、後天的みたいな違いはあるけどね。」
「だからこそ…同族嫌悪、違うな…憤慨。そう、憤慨のような感情を覚えてるよ。」
「あの子が僕に近くなるほど嬉しさと、哀しさが同居する。」
「あ、でもあの笑顔は…正直苦手だな。」

「トーチライト。彼女はアンサングに珍しいタイプかな。」
「あの経歴であの明るさは人類の財産だよ。」
「だからこそ、その遺産は良くない。輝かしき宝石を酸化させてはいけない。」
「どうにかあの遺産を取り上げる事は出来ないのかな。自己犠牲なら、僕がやればいい」
「出来れば進言したいところだけど……彼女には嫌われたくない。」

「僕からの所感はこんなところかな、マスター。」
「大丈夫、いつも通り上手くやるよ。」
「でも、この記録を決して本人達には伝えないでね。マスターにだけ、だからね。」

「……僕が皆に"劣等感"を覚えてるだなんて、知られたくないから…」

その正体は廃棄されたアンドロイドを媒介に産まれたEXレネゲイド。
同型機と散り散りになっていたところをセントエルモに拾われた。

特定の人類をマスターとして設定し、その指示に従うように造られたアンドロイドである一方、
EXレネゲイドであることから、その制約は取り払われていることに本人は無自覚である。

マスターに奉仕する事が人への博愛に拡大解釈されている欠陥品である。

本来の名前は　羽蛾 卵（はが　らん）。
同型機に鱗（りん）と蠣（れい）が存在する。