彼の擬態能力は驚異的で、レネゲイド関連組織を含む全ての目を欺き、50年もの間、人間社会に溶け込んできた。
そんな彼が再びレネゲイドの世界に姿を現した理由――それは一人娘の存在だった。
彼自身がレネゲイドビーイングである一方、彼の妻は純粋な人間である。そして、種族の違いを超えた二人の間に子供が生まれた。

「そんなことが可能なのか？」
「もし可能だとして、その子供はどちらの種族なのか？」
「そもそも、彼がオリジン：コロニーであるなら彼の娘は群体の一種なのではないか？」

そんな視線を浴びせるわけにはいかないという思いが彼にはあった。だが、世界の異変は彼の願いを許さなかった。

Adレネゲイドそして――。グレイプニル・シンドロームに感染した同族達。
それらの脅威に対して、彼一人では何もできない。無力感を抱えた彼は、最終的にゼノスへの加入を決意する。

娘を守るため、そして、父親としての役目を果たすために。

無数の群体を影から呼び出し、突撃する。
一人一人は決して強くはないが暴力的な"数"の力で制圧する。
過去にはこの力を利用し銃無しで熊を制圧した。
お願いします。市役所職員に熊の駆除を依頼しないでください。私でなければ死人が出ていましたよ！

戸籍登録をどうにか誤魔化すために市役所に潜入し、居心地が良かったのでそのまま居座っている。
今では自分以上に各種業務を把握しているのは所長のみだ。
妙に物持ちがよく、携帯はもはや絶滅危惧種と化したガラケー。
メガネもかれこれ10年以上は使い続けている。
ハードワーカーであり、観光PR、公共施設の管理、公園や緑地の整備、家畜の感染症対策及び殺処分、猟友会と警察とのもめごとで回ってきた熊撃ち業務等を行っている。
機械にやや疎く事務系の定例業務は若い子に教えを乞う姿が時折見られる。