その正体は、昔発売された美少女ゲームの一つ、『ぴゅあふるがあるず♡』のサブヒロイン。
ゲームでの彼女は、主人公の妹であり、1つ下の1年生、主人公のことが大好きで、一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝たり、下着姿で誘惑したりなどする積極的なヒロイン。
作品での彼女はルートが存在するくらいには厚遇されている。

とあるブランドが企画して、世に送り出した『ぴゅあふるがあるず♡』。それ自体は売れたものの、色々とあってそのブランドは廃業した。
会社が廃棄したはずのマスターデータにレネゲイドウイルスが感染、キャラクターデータとビジュアルのあったヒロインたちがレネゲイドビーイングとして世に生まれることとなった。

前半の共通シナリオは非常にほのぼのとしているのだが、彼女の個別ルートに入ると話が一変する。
個別ルートの最初で彼女は主人公と血がつながっていないことが判明し主人公に告白するも玉砕。
失意の中、主人公が幼馴染と付き合いだしたことを知り、幼馴染を殺害し主人公の前に生首を並べる。
それに絶望した主人公は精神崩壊、その主人公と交わり、子供を作ったところでエンディングに入るという狂気のシナリオだったため、彼女は人気投票でぶっちぎりの最下位になってしまい、メーカーが廃業するまでいらない子ネタでいじり続けられていた。
そんなため、彼女は自分を意味のない存在だと思い込んでおり、自分を受け入れてくれる『お兄ちゃん』という存在を求め続けている。
そのため、『お兄ちゃん』であることを否定すると…

東京都内で、30代の男性の遺体が公園で発見されました。
遺体は首を切断されており、これまで同じ刃物で首を切断されたであろう遺体は40件発見されています。警察では――

一人称は「私」や「ねろ」。
好きな食べ物はお兄ちゃんの手料理(下手でも構わない)、好きなことはお兄ちゃんと一緒にいること、好きなお兄ちゃんの部位は目。
お兄ちゃんに求めることはあまり多くなく、そこそこ生活ができて、自分を第1に考えてくれれば比較的それでいいと思っている。
ゲーム開始時に血液型を入力する場面があるが、彼女は主人公と必ず違う血液型となる。
仮に姉を名乗る女性が現れても、なびくことは基本ない。
お兄ちゃんを探して妹を名乗る相手とは、自分が1番であれば多少は譲歩してもいいとか。

お兄ちゃんみいつけた♪(作者：澤野明)