容姿・経歴・その他メモ

有馬財閥。
現在の日本IT関連企業の総本山とも言える、Armitec.Industryを経営している。
その技術をUGNへも提供し、ジャーム撲滅などに力を貸している。
1代財閥される程大きく成長させた、そんな父が誇らしかった。
いつか自分もそんな父の跡を継いで、この国に貢献していくものだと信じていた。

それはよく晴れた夜だった。
雲一つなく、窓から注いでいた月明りだけで十分なくらい明るかった。
当時、3歳になる妹と、5歳になる弟と一緒の部屋にいる頃だった。
トイレへ行こうと部屋を出て、自分たちの部屋少し離れてると、両親の喧嘩する声が聞こえた。
寝ぼけている事もあり、話している内容は不明だったが、母が金切り声で何かを言っていた。
僕は気になり、ドアを少し開けて部屋を覗いた瞬間だった。
さっきまで聞こえていた金切り声は聞こえず、変わりに気持ちの悪い音と呻き声が聞こえた。
部屋を覗くと、父の拳が母のお腹を貫き、その拳からは血が滴り落ちていた。

そこからは記憶が曖昧だった。
覚えているのは自分の体から火が出て、家を焼いていた事だった。
あの光景を父に見られたかは分からない。
辛うじて、弟と妹は執事たちの手によって助けられた。

母の死は焼死とされた。
父の妬みを持った放火魔によって命を落とした、という事に世間では公表された。
今思えば解剖などされただろうが、金の力で事実を捻じ曲げたのであろう。
そして気持ちの悪い事に、葬儀で父は泣いていた。
なぜあんな事をしたかは不明だが、奴は母を殺した。
優しかった母を殺したのだ。

だから俺は復讐を誓った。
あの事は弟と妹には話さなかった。
母を失って辛いだろうが、そこに恨みまで持たせる訳にはいかない。
兄の失敗など、歩ませたくない。
そうして幼いままでは何も出来ない事を悟った俺は、奴の金で大学に行き、経営などを学ばされた。
そして俺は兼ねてより計画していた事を実行に移した。
交通事故だ。
奴の金で買った、フェラーリに乗り、山道で単身事故を演出した。
電柱にぶつけた様に見せかけ、骨も残さないような火力で炎上させて俺はその場を去った。
有馬　誠一はそこで死んだのだ。

その後は、街中で幼い頃に発現した炎の力を使い、UGNを誘き出して組織へと入った。
入りたての頃は入り方が入り方だった為か、異様に厳しく訓練を受けさせられた。
だが力の制御なども綿密に訓練を受け、実践を幾度とこなして行く内に、タカ派組織「ネメシス」の所属となった。
都合の良い事に武闘派であることから危険度の高い任務へ抜擢されることも多く、着々と復讐の準備が出来てきていた。

「ムーンセイバーは誰も知らない」後…

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