ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

竜胆 藍斗 - ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

藍色の守護者(リンドブルム)竜胆 藍斗(りんどう あいと)

プレイヤー:松神

自由登録 基本ステージ

テレーズさんは何が何でも守り抜きます。俺はそのために生きてきたのだから

年齢
16
性別
星座
天秤座
身長
164㎝
体重
58㎏
血液型
A型
ワークス
UGNチルドレン
カヴァー
男子高校生
ブリード
クロスブリード
シンドローム
ブラム=ストーカー
バロール
HP最大値
+21=48
常備化ポイント
2
財産ポイント
0
行動値
9
戦闘移動
14
全力移動
28

経験点

消費
+34
未使用
0
フルスクラッチ作成

ライフパス

出自 代々要人警護を行ってきた家の時期当主候補として産まれた。
名家の生まれ
経験 あの日死んだ兄の形見として残された血は、愛という感情の温かさと素晴らしさを教えてくれた。
永劫の別れ
邂逅
恩人
覚醒 侵蝕値 産まれた時から超常の力を身に宿していた。父と兄もまた、そうである
生誕 17
衝動 侵蝕値 温かい血を……感情を、愛を俺にくれ
吸血 17
その他の修正8
侵蝕率基本値42

能力値

肉体2 感覚3 精神3 社会1
シンドローム1+0 シンドローム2+1 シンドローム1+2 シンドローム0+1
ワークス1 ワークス ワークス ワークス
成長 成長 成長 成長
その他修正 その他修正 その他修正 その他修正
白兵2 射撃 RC1 交渉
回避1 知覚 意志+1=2 調達
情報:UGN1

ロイス

関係 名前 感情(Posi/Nega) 属性 状態
Dロイス 黄昏の支配者 愚者の行進を使用可能になる。
固定 兄の遺した物 執着 不安 兄を慕った過去、兄の慕ったあの人への義務感、兄の持っていた感情への憧れ……その全てが心を蝕み、緩やかに動きを失わせていく
固定 憧憬 悔悟 優しく、感情豊かでどこまでも人間らしい人だった。父はよく「優しすぎる」と言っていたが、そんな兄が大好きだった
シナリオ テレーズ・ブルム 庇護 偏愛 かつて兄が愛した素晴らしき人だ。何が何でも俺が彼女を守らなければならない。
ノアール・クラメルド 感服 猜疑心
UGN 誠意 厭気
永岡源之助 連帯感 脅威

エフェクト

種別名称LVタイミング技能難易度対象射程侵蝕値制限
リザレクト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 効果参照
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇
ワーディング 1 オートアクション 自動成功 シーン 視界 0
非オーヴァードをエキストラ化
赤色の従者 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近 5
従者を自分と同じエンゲージに一体創り出す。従者は全ての能力値が3、最大HPがLv*5+10となる。1シーンに一体まで従者を作り出せ、従者はそのシーンの間のみ存在する。従者がシーンに存在する間自分のあらゆる判定ダイスを-3個する。
愚者の兵装 2 常時 自動成功 自身 至近 従者専用
従者専用アイテムをLv個選択する。従者が作成時にそれらの装備を常備化して登場するようになる。これは侵蝕率の上昇によってレベルアップしない。取得時基本侵蝕率+4
愚者の行進 2 セットアッププロセス 自動成功 自身 至近 5 Dロイス
他エフェクトと組み合わせ不可。赤色の従者を使用する。ただしこの時赤色の従者以外の技能を組み合わせることは出来ない。これによって生成された従者は未行動で現れる。1シナリオにLv回まで
グラビティテリトリー 3 常時 自動成功 自身 至近
最大HPを+Lv*7する。このエフェクトは侵蝕率でレベルアップしない。取得時基本侵蝕率+4
時の棺 1 オートアクション 自動成功 単体 視界 10 100%
相手が判定を行う直前に使用する。その判定は失敗となる。判定を行わないものには使用不可。1シナリオに1回まで
孤独の魔眼 2 オートアクション 自動成功 効果参照 視界 4
対象:範囲or範囲(選択)この攻撃の判定直前に使用する。その攻撃の対象を対象:単体とし、孤独の魔眼の使用者一人に変更する。1シナリオにLv回まで
魔人の盾 3 オートアクション 自動成功 自身 至近 4
ガードを行う際に宣言、ガードの値を+Lv*10する。1シーンに1回まで
グラビティガード 4 オートアクション 自動成功 自身 至近 4
ガードを行う際に宣言する。このガードの間、ガード値を+LvDする。
ブラッドリーディング 1 メジャーアクション 自動成功 単体 至近
血や体液などからその持ち主の情報を読み取るエフェクト。性別、年齢、その時抱いていた感情などを看破することが出来る。GMが必要と感じたなら〈知覚〉による判定が必要。
かしずく歯車 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近
心臓の動きをコントロールし、血液の流れを制御することによって緻密な作業を迷うことなくこなすエフェクト
従者の疾駆 0 イニシアチブ 自動成功 効果参照 視界 2
他エフェクトと組み合わせ不可。作成した従者から一体を選択し戦闘移動させる。エンゲージと封鎖の影響を受けない。1シナリオにLv回まで

コンボ

藍色の従者

組み合わせ
愚者の行進赤色の従者
タイミング
セットアッププロセス
技能
難易度
自動成功
対象
自身
射程
至近
侵蝕値
10
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
100%以上

従者のステータスについて
ざっくり言えばガード値8、装甲値10

全ステータス3、行動値9、HPは36で登場。
更に愚者の兵装により以下の装備を常備化している。
従者の盾:白兵、命中-2、攻撃力2、ガード値8、射程至近
従者の甲冑:防具、ドッジー5、行動値-3、装甲値10

守護従者

組み合わせ
グラビティガード
タイミング
オートアクション
技能
難易度
自動成功
対象
自身
射程
至近
侵蝕値
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
100%以上

従者使用時ガード値4D+8、装甲値10
本体使用時ガード値4D

歪んだ想い

組み合わせ
孤独の魔眼の後or使用せずに、ガード時グラビティガード魔人の盾
タイミング
オートアクション
技能
難易度
自動成功
対象
自身
射程
至近
侵蝕値
7
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
100%以上

ガード値4D+30

孤独の魔眼を使用している場合侵蝕値は11になる

一般アイテム常備化経験点種別技能解説
デモンズシード 3 その他 取得しているエフェクト「グラビティガード」の最大レベルを+1、浸食値を+1する。
思い出の一品 2 その他 意思判定の達成地に+1。
死んだ兄の形見で、兄の血が詰まった小瓶。

経験点計算

能力値 技能 エフェクト アイテム メモリー 使用総計 未使用/合計
2 159 3 0 164 0/164
侵蝕率効果表

現在侵蝕率:

容姿・経歴・その他メモ

【容姿】

【人物概要】
テレーズ・ブルムに恋する(?)少年。彼女のためなら命すら差し出すと豪語するが、テレーズを近くで守りたいという気持ちはあっても親密な関係になりたいとは考えていないようで、本人曰く「彼女が生きているだけで強く生きられる」んだとか。人を守ることを得意とし、人を守るためなら自分の身を傷つけることにあまり抵抗を見せないが、その精神はどうやら父と兄から受け継がれているようだ。
彼の家は戦国の時代から代々重役の守護を担っている家系で、父の代からオーヴァードに目覚めUGNの重役や要人の警護を主に行っている。運良くその子供二人も生誕時からオーヴァードとして覚醒しており、UGNとは家族ぐるみの付き合いとなる。
幼少期から父からUGN施設での厳しい鍛錬を受け、その実力は若いながらも折り紙付き。護衛任務をさせれば成功率はほぼ100%と言っても過言ではなく、その腕を買われ現在様々な護衛任務を担当している。
ブラッドリーディングという体液から感情などを読むイージーエフェクトを持っているが、本人はあまり使いたがらない。

出自について

前述のとおり、彼の生まれは名家である。要人の護衛任務という命がけの仕事を戦国時代から代々受け継いできたためその役目を継ぐ者は命以外……つまり地位、名誉、富、権力の全てを約束された未来を歩むことになる。
そんな竜胆家の本家次男として生誕した藍斗は家督を継ぐのに必要なあらゆる才をその身に受け生誕した。オーヴァードとしての覚醒などはその最たる例だ。長兄も同様であったが、個体としての優秀さは藍斗に分があった。
しかし竜胆家の男の命は使い捨て。父はどちらも平等に愛し、どちらでも家督を継げるように鍛えに鍛えぬいた。

幼少期

藍斗は幼少の頃より優秀で利発な子であったが少し臆病で人見知りしがちで、友達と遊ぶよりも慕っている兄と共に父から稽古を受けることの方を好む子でもあった。その性格もあって周囲からは度々いじめの対象となり、それも彼を家にこもりがちにさせた。
それでも藍斗は幸せだった。優しくかっこいい兄と強く頼もしい父、その二人に守られ彼はすくすくと育った。

青年期

年齢が二つ上だった兄は、藍斗よりも一足早くUGNの仕事を始めていた。初任務は藍斗が中学に上がってすぐの出来事だった。兄はまだ若いのにも関わらず幼少期より受けた訓練を活かしめきめきと頭角を表していった。要人の警護を頼まれるまで、そう時間はかからなかった。要人の警護はオーヴァードの世界では必ずと言っていいほど死傷者が出る程に危険な任務だ。母と藍斗は心配することにはしていたが、しかし父というベテランの付き添いもあったため半ば油断した気持ちで吉報を待っていた。危険な任務を請け負った兄に、藍斗は誇らしさすら感じていたのだ。


人生はそれほど甘いものではないということを、藍斗はその夜UGN職員よりもたらされた訃報で初めて知った。

大切な人の死

父も兄も立派だったと、藍斗と母に職員は語った。父はFHの襲撃を受け死にかけの兄を庇いながら護衛対象を命がけで守り瀕死の重傷、そして兄は、運が悪かったのか打ちどころが悪かったのか、などと歯切れ悪く語る職員の頬に流れる涙を拭い藍斗が感じ取ったのは、藍斗に対する哀れみや悲しみよりも大きな「自責」の念だった。

真相は、簡単なことであった。兄は愚かにも護衛対象の命、そして自らの命より一人の仲間の命を優先。本来なら彼が瀕死に至る場で兄がそれを咄嗟に庇い瀕死、そして敵勢力に捕獲される。あまりに突然のことで誰も動けなかったと後に父は語った。
父と兄、守りの要のうち片方が陥落したことにより敵の集団は調子付き戦闘は本格化。そのまま過酷な状況へ追い込まれながら父はその職員、そして護衛対象を守り抜き瀕死へ追い込まれながらも仲間と協力し何とか兄を取り戻し敵勢力を追い払うことに成功した。
未熟な兄が起こした不祥事。任務の失敗に至らなかったもののこの事件は竜胆家に大きな傷跡と教訓を残した。

責められるべきは兄が任務を放棄したということではない。護衛対象のために命を張るのは父がやると予め父と兄、そしてそれ以外の仲間たちで取り決めはしていたのだと言う。
だから問題となるのは、兄が自らの命を軽んじたことだった。防衛役、いわゆるタンク役を担い、いざとなったら護衛対象の命のストックとなりえる二人の命の価値は、端的に言えば攻撃役のそれよりも重い。
その命を攻撃役一人のために自ら捨てた兄の愚行こそ責められるべきだった。しかし、そのことを誰も責めることは出来なかった。
オーヴァード同士の戦いにおけるセオリーに関してまだ研究が完全に進み切っていない状態だったこと、そして兄の性格を加味してなおその采配を下した支部長の責任も大きかったこと、これらの要素によりこの悲劇はUGN内部でいかにもといった感じの悲劇的ストーリーに仕立て上げられた。
そしてそれはそのような状況下でもなお奮闘し大きな功績を立てた竜胆家当主への温情でもあった。

その後藍斗は

兄の訃報を聞いた後、藍斗は父の下へ駆けつけた。それが父の死に目かもしれなかったから。しかしそこで藍斗は死にかけの父よりも先にその姿を目に入れてしまった。腹に大穴を空け、妙に長く伸びた気道だけ繋がっている自らの首を、左腕と肘から先が千切れてどこかに行った右腕とで抱えながら安らかな顔で眠る大好きな兄の姿を。
まだ乾いていない傷口は、死を確信するほどの凄惨な姿でもなお血を度々吹き出し、今にも兄が喋りだすのではないかと藍斗は錯覚した。心臓はいまだ動いているが、脳は完全に死んでいると語る看護師を横目に藍斗はそっと兄の頬に触れた。
ブッ、と軽く噴き出した兄の血を指に浴び、藍斗が感じ取ったのは兄の最期に残した感情だった。
それは死への絶望、恐怖と、父への信頼、仲間を守ったことへの誇らしさ……そして藍斗も知らぬ愛する女性への愛しい気持ち、その女性に対する心残りと様々な種類の後悔であった。
凄惨な兄の姿を目に焼き付け、目から溢れた涙を拭いながら、藍斗が兄の形見と言わんばかりにそっと小瓶に兄の血を取り、懐へしまうのを誰も止めることは無かった。

幸い父の状態は悪くなく、大規模な手術とオーヴァード特有の自然治癒によりすぐに元の状態へと戻った。身内の死にも慣れているのか、数日経とうとも父が悲しむ顔を見せることは無かった。
藍斗も父にその日のことを詳しく聞くことは無く、大した時間をかけずその事件は竜胆家では緩やかにタブーとなり、風化していった。

タブーとなった兄の事件、しかしあの日以来、藍斗は度々兄の形見である兄の血を握りしめ、そして時折口に含むようにしていた。兄の最期の感情を何度もその身に刻みながら藍斗は失った兄を想い、その遺志を継ぐためにただ鍛錬に打ち込んだ。兄と同じように、兄の代わりに仲間を守り……兄の代わりに、名も顔も知らぬ兄の愛した誰かを必ず見つけ出し兄の想いを告げ、そしてひっそりと守るのだと。


数か月後、兄が初任務を受けた年齢に到達した藍斗は、誕生日の次の月に初任務を受けることになる。

UGNにて

初任務故に簡単な護衛任務を請け負った藍斗はやはり兄と同じくその優秀さを証明しどんどん任務を受けることになる。その目的は兄の仲間と愛した人を見付け守るために。しかしどこをどう探しても、誰に聞いても、どの任務を受けても藍斗は兄の愛したであろう人物を見付けることが出来なかった。個人的に上司や兄の同僚から聞き出せたのも、兄と恋仲にまで発展した女性はいなかったという情報だけ。
藍斗は途方に暮れた。兄という理想の姿を追い、兄の死に際を想いながら進んだUGNという道には、もうその痕跡は残っていなかった。顔も名前もわからない、兄が密かに愛した人。その手がかりも何もないまま、藍斗は兄の遺志を継ぐことも、慕っていた兄の秘密に近づくことも出来ないのか、と。

自分の目的を失い迷った藍斗を導いてくれたのは、ある少女だった。
その少女はUGN施設で育てられている孤児で、とても賢い少女。彼女と年若く優秀なエージェントの藍斗が知り合って仲良くなるまで、そう時間はかからなかった。少女はUGNに所属する皆のことを家族と言い、藍斗のことを兄と慕った。
少女は藍斗に沢山のことを語ってくれた。今日食べたリンゴが美味しかったこと、訓練が厳しくて嫌になるということ、当人は実戦より研究の道に進みたいこと、他にも出自の話や藍斗の他に仲の良い人のこと……そして、憧れている人がいること。

テレーズ・ブルム、UGN幹部の中でも一際異彩を放つ天才少女。非オーヴァードの身でありながらその功績でUGNの幹部にまで上り詰めてしまったまさに天然の超人、そんな彼女と少女は何度か話す機会があり、遂にはその生き様に惚れてしまったのだと語った。

ああ、良いなーーーー藍斗の胸中は、純粋にそんな思いで満ちていた。テレーズに憧れ、テレーズと同じ道に進むんだと意気込む少女の頑張る姿に、藍斗は懐かしき兄の姿を見た。兄もかつては例の女性に惚れ、その女性のために頑張ったのだろう。兄の場合は死すら恐れなかったであろうという一見狂気じみた程の心の持ちようだったが。などと考えながらその時、珍しくふっと柔らかい笑みが自分の顔から自然と出た。その少女といると、藍斗は何故か兄のことも家のことも、自分の目的も忘れてしまって良いような、そんな思いになった。

そんな藍斗の気も知らぬ少女は、貴方もきっと気に入るはずだと言いながら藍斗にテレーズ・ブルムの写真を見せた。キリッとした表情のテレーズが映った、何の変哲も無い日常の一枚。
しかし、その写真を目にした途端に、藍斗の身体を大量の血が巡るのを感じた。誰かを愛しいと思う気持ち、抑えきれないそれが溢れるのと同時に、兄の血の入った小瓶が揺れたような気がした。
「そうか、この人が」
藍斗がその事実に気が付くまでに、瞬きをする間も無かった。それは紛れもなく、兄が愛した女性なのだと。兄の死んだ日、何が起こったのか藍斗には詳しくはわからない。現場にテレーズがいたのかも、兄がどんな風に死んで何故安らかに眠れたのかもわからない。
だが、それでもわからないことだらけの藍斗にとって絶対に揺るがない真実がそこにはあった。何度も読みこんだせいで脳に染みついた兄の愛情が、心残りが、血に溶け藍斗の心臓に送り込まれたのかと思うほど心臓が早鐘を打つ。兄の思いと血が、藍斗の身体の中でこの人だと叫び続けた。


その後藍斗はテレーズを愛していると公言し、テレーズの近くでテレーズを守るべく動き始めることとなる。


時間をかけ、何重にも重ね重ねて濃くなりすぎてしまった兄の愛によって……焦がされ心の奥底に沈殿して燻る、自らの淡い恋心に気付くことなく。

テレーズへの想い

藍斗は自らのテレーズへの愛を、兄の血をブラッディリーディングを使用しながら取り込み続けたことによる、刷り込みあるいは条件反射といった形の弊害だと気が付いているが、その気持ちに逆らえない。それは最早兄のそれを遥かに超えた妄執……「呪い」に近いもので、身体も脳も支配され、自分の考えすら無視して身体が行動してしまうこともあるほどだ。藍斗自身もそれを拒否したいという気持ちが無いので藍斗はこの愛をどうにかするつもりはあまり無い。
兄の中に残った感情の中で一際温かく、優しかったあの感情は……藍斗にとってはささやかな希望であり、憧れでもあった。

藍斗はそれを呪いということは無いが、周囲の人間のごく一部、藍斗の両親や霧谷雄吾、そして直属の上司など藍斗の事情を知っている者は密かにそれを呪いだと称している。
本人もそう呼ばねばならない何かかもしれないとうっすらと感じてはいるが、実害が無いし解決策も思い当たらないため放置している段階。何より兄の想いを正確にテレーズに語り、伝えるにはこの呪いを抱えながら会う以外に方法は無いのだ。この呪いにより兄の歪んだ愛を伝えてしまう可能性は否めないが。

ただ、兄の愛した女性を愛することには抵抗があるようだ。兄が死んでいるのを良いことに横恋慕をするかのような、そんな罪悪感があるためだ。だから藍斗は明確にテレーズと親密にならないように線引きを引こうとしている。なにより、その想いは兄の想いだから、藍斗自身がその想いを利用してテレーズを愛するつもりも本来はない。藍斗がテレーズを愛していると公言しているのは、あくまで身体が勝手に言っていることであって藍斗本人の想いとは似て非なるものだ。
もしも藍斗の中の兄の想いの残滓がテレーズへの愛に突き動かされるあまり勝手にテレーズへの愛を直接示し始めれば、流石の藍斗もそれはきっと拒否しようとするだろう。拒否できるのなら。
年月を経て藍斗の存在自体が兄の想いを継いだ何か別の存在に変貌する可能性もゼロではないだろう。



なお、兄の想いに塗り潰されていなければ、藍斗は例の少女と真っ当に恋をしていたと思われる。
ままならないものだ。

呪いとも呼べるほどの愛を知ってしまった男が、今後真っ当な愛を育むことは果たして出来るのだろうか?

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 GM 参加者
フルスクラッチ作成 34
2021/02/15 assasins party 21

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