彼女は、デンマークのある貧しい夫婦の間に生まれた。両親は、決して親が務まる人間とは言い難く、彼女は、普通とはおよそかけ離れた幼少期を過ごした。父親はろくに働きにも出ず、酒に酔ってメアリによく暴力を振るった。母親は色狂いで、酒で昼間夫が寝ているのをいいことに色街に出かけ、知らぬ男と毎日のように遊びその日暮らしの金を稼ぎ、そのほとんどを私利私欲のために使っていた。そのような欲望に忠実な両親の間に生まれたメアリである。働ける歳になった瞬間すぐに金を稼ぐための道具にされ、マッチ売りとして町中で金稼ぎを強いられた。幼く、父親の暴行で傷の絶えないメアリを憐れむ人は多かったが、臭いものには蓋をしたいのが人間の心情。彼女からマッチを買う人はいたものの、彼女を救おうとする者はいなかった。

ある寒い冬の日、いつものようにマッチを売り帰ってきたメアリは、同じくいつものように父親に殴られ、父親が眠った後いつものように男と寝るために母親に家の外に追い出された。その日のデンマークはいつにも増して寒い日で、幸運にもマッチはよく売れた。しかし、幸運なのは売れた時まで。普段の防寒具さえなく外に出されてしまったメアリの体は、見る間見る間にかじかみ凍えていく。手足の感覚は薄れていき、体はガチガチ、ブルブルと震える。ああ、わたしはなんでこんなところにいるんだろう。なんでこんなことになっているんだろう。真っ暗な寒空の下、メアリは考えた。町中でマッチを売っていれば、多くの子連れの家族を目にする機会があった。皆とても楽しそうで、幸せそうで、とてもとても、あたたかそうだった。それなのに、なんでわたしは。なんでわたしはみんなとはちがうんだろう。そんなことを思いながら、メアリは窓越しに家の中の母を見る。声は良く聞こえなかったが、それでも、確かに母がこう言ったのが聞こえた気がした。「あんな子、産まなきゃよかった」

メアリが次に目を覚ました時、周りは黒焦げになっていた。家も、土地も、人も、何もかも。父親も母親も、どれが何かさえわからないほどに黒く焼き焦がされていた。空は昨日の寒さと雪が嘘のように晴れ渡っており、どこか暖かい空気が流れていた。何が起きたのかわからず、暫くの間その場で座っていると、スーツを着た男が現れた。肌の色、顔立ち、目の色。どうやら、この国の人間ではないらしい。男はメアリに手を差し伸べて言った。「私と一緒に来るつもりはありませんか」と。それがメアリの。本当の「人生」の始まりだった。

登録名：メアリ・フォスフォラス
コードネーム：｜マッチ売りの少女《フラウロス》
性別：女
出身：デンマーク
誕生日：12/24
身長：141.6
体重：32.9
血液型：O
所属：UGN日本支部特殊遊撃部隊『｜寝物語《メルヒェンナイツ》』
能力ルーツ：マッチの火
ブリード：クロス
シンドローム1：サラマンダー
シンドローム2：ソラリス
シンドローム3：―――――
特記事項：右目がUGN製の義眼。
　　　　　中度の栄養失調。回復の傾向あり。

立ち絵メーカー：少年少女好き？
立ち絵メーカーURL：https://picrew.me/image_maker/46940

・戦闘適性：A－
・継戦能力：B－
・命令順守：A＋
・陣頭指揮：C
・社会適性：C
・RC技術：B－
・衝動耐性：C＋
・特異能力：B