親は裏を抱える金融機関の結社の一員だった。
武人は結社の子供として従事するように育てられたため、機械的な行動を取るようになる。
しかし彼が成人を迎えようという頃、その生活が一変する。
武人は警察に偽札の出所として疑われた結社に、すべての罪を押し付けられ投獄される。そのために育てられたのだ。
しかしその先で、思わぬ出会いをする。
それは武人の房に誤ってトンネルを開通させた脱獄犯の男だった。
男に手を引かれ、困惑しながらも武人は共に脱獄。
助けた理由を問うと、男は金も払ってないのに無人販売のトマトを手渡しながら「なんとなく」と答えた。
武人にとってはその緩さが心地よかった。

しかし、逃走の日々は長く続かなかった。
男が発見され逮捕される間際、武人は異能に覚醒し、それを助けまいとする。
そこに駆けつけたUGNに捕らえられ男と袂を別つことになる。
その後、武人は初めて証言を行い、警察の働きにより結社が解散したことで嫌疑は晴れた。
それからUGNに身を移して異能の使い方を学び、現在に至る。
脱獄犯の男のことを詮索することは無かったのは、彼の罪を知ることで彼への想いを変えたくなかったからだ。
武人は今でも彼を、その緩さ・心地よさを人生の師のように感じている。