第二次世界大戦半ば頃よりヨーロッパ戦線にで活躍したドイツ軍人であり、ほぼ単身で戦線を押し上げる功績とカリスマ性をもってドイツ軍内では多大な敬愛を受け、連合軍には鬼神のごとく恐れられていた"｜紅蓮の聖女《アイアンロータス》"その者。

本名はイングリット・ハーゼンクレファー（Ingrid・Hasenclever）、ドイツ資産家の元に長女として生まれ、下に弟が二人いる。
初から軍人ではなく、二次大戦開戦後までもずっと民間人だったが、1942年におけるドイツ都市を対象とした空襲中にで瀕死の重傷を負い、｜超人《オーヴァード》として覚醒した。
その素質を当時のナチス政権に見込まれ、故郷を戦火から守るために自ら超人兵士となる道を選ぶ。

しかし終戦に差し掛かりうちに、劣勢の戦況にもかかわらず上層部は徹底抗戦の構えを取り、そのことからナチス政権に不信感を抱きはじめる。
やがて民間人への被害を顧みず、一般兵に特攻命令を下すその振る舞いに徹底的に失望してしまい、イギリス・アメリカ軍が彼女の街に迫ってきた頃、秘密裏にコンタクトを取り、率先に白旗をあげて投降した。
一説にはこの時糸を引いてくれたのが当時MI6エージェント"S"（フィン・ブースロイドの父親）である。
このことから上層部から裏切り者の烙印を押されるが、街への被害は最小限に抑えられた。
そして戦争の終結と共に、彼女は表舞台から姿を消した……理由は多数あるが、"｜紅蓮の聖女《アイアンロータス》"という肩書きが存在する限り、それを擁立しようとする戦争狂信者どもは諦めないとわかっているからだ。

現代まで生き長らえた彼女は今、因縁なるフィン・ブースロイドの仲介でUGNに協力している。
その過去を知るものは現在の日本支部長"リヴァイアサン"を含め、UGN内部でもごく限られた数人しかいない。