容姿・経歴・その他メモ

　御久里坂に住む少女。長い黒髪と白皙の美貌が人目を惹くが、夏夜自身はそういった周囲からの視線に頓着していない。
　真面目で努力家、人当たりも柔らかで常に落ち着いた性格。しかし、自分の中に拭い難い空虚を抱えており、そのせいで幼馴染のハル以外に対しては一線を引いた関係を維持する傾向にある。
　ハルと夏夜は幼少の頃から互いを支えあってきた間柄で、明るく無防備に過ぎる彼女を夏夜は庇護し世話を焼き、同時にその笑顔と歌声に救われてきた。ハルはシンガーソングライターを目指し努力を重ねており、それを夏夜は常に一番近くで見守り、支えてきたのだ。しかしそんなハルに対して、夏夜は今や劣等感と恐れを抱いている。彼女には輝かしい夢があり、どんどんと素敵になっていく。いつか、自分を必要としなくなる日が来るのではないだろうか。そんな風に感じてしまうのだ。自由な翼でどこまでも羽ばたいて欲しいという気持ちと、いつまでも自分という鳥かごの中にいて欲しいという気持ちの相克が、夏夜の悩みだ。これからもハルの隣にいるために、どうすれば良いのか。まだ夏夜はそれを見つけられていない。
　また、数年前のある時点で自分の記憶が曖昧になっていることも気がかりの一つだ。何か重要なことが起こったような気がするのだが、誰に聞いてもはっきりとしたことは分からない。ハルですらも、どこか陰のある笑顔で否定した。思えば、ハルが独り立ちしようとし始めたのはその頃からだったかも知れない。
　そんな時ハルから聞いた「なくしものが見つかる不思議なアプリ」の噂について、夏夜は胡散臭いと思いながらも心のどこかで惹かれるものを感じていた。無くした記憶を取り戻す事が出来たら、今の色々なもどかしさに決着が着くのかも知れないと、そんな風に思ったのだ。

　幼い頃から親の方針でピアノ・バイオリンにバレエ、華道や絵画等様々な習い事をして来たが、ものになったのはフェンシングだけ。基本的に運動も勉強も人並み以上にできる夏夜だが、芸術方面に関する才能は皆無であり、他人に対して誇れるような美点が存在しない（と夏夜は思っている）。

　夏夜の異能は「痛みを形にする程度の能力」である。カッターナイフで掌を切り裂いて迸らせた血潮を花弁に変えて自らの周囲に滞空させ、触れる相手の攻撃を払い除けたり、逆に苦痛を与えたり出来る。また、カッターを柄として作り出した血のレイピアを相手に突き込む事で絶大な苦痛を付与する。逆に、瀕死の重傷を負っても、痛みを体外に捨てる事で再び立ち上がる等の使い方も可能だ。

過去回想SS
https://www.evernote.com/shard/s434/sh/dd14a088-eeb0-5e84-edb0-d18b573ba078/0a4a003d173ecd5ac0e5cd84e3994838

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