容姿・経歴・その他メモ

経歴

母は島の外からやってきた人だった。
四人の女子を産み、二度の流産を挟み、やっとのことで男子を出産する頃には、
既に親戚一同からの重圧や育児や介護に疲弊しきっていた。

だから母はいなくなった。

やっとの思いで産んで、ようやく一人前の嫁だと認められる証になるはずだった自分が、
五体不満足で病弱なぐずだったから。

生まれたときから何をやらせても結果を出せない自分なんか、
救われるべきではなかったのではないかと思うこともあるが……
自分がこうして生きているということが「神子様の奇跡」の証になるのならば、
やっと自分も役に立てる何者かになれるのだ！　と考え直し、
その度いやしい幸福に満たされる。

満たされるはずだったのに。

性格など

幼少期から家族に過剰な期待をされ、そして失望されてきたためか
異様に自己評価が低く、そして他人の顔色をうかがって外面を取り繕うのに長けている。
ただ、家族から要求されたレベルが高すぎるだけであるため
本人の能力はそこまで劣ったものではない。

「雁実 光慈」との関係

島の外を知り、その上で島へ戻ってきた彼のことを尊敬すると同時に、
自分の秘密や負い目がいつ暴かれてしまうのだろうかと恐怖している。
いや、優秀な彼のことだ、もしかしたらとっくにもう、
だとすれば俺はどうすれば、

わからないから、ひとまず今日も笑顔で挨拶をしよう。

（ねえ、島の外って　どんな世界ですか）

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