容姿・経歴・その他メモ

「素敵な力ね」
「好いてあげる。あなたは特別な人よ」
「私が愛し、私が統べる。さあ、頑張って！」

高校生。○市(シナリオに関係ない市)支部の若き支部長である。
桃色の髪に柔和な表情、人好きのする振る舞いに表される無防備さが目を引く、ひねくれ者。美しく象られた肢体に曇りはなく、その形の良さから被造物を思わせる。
献身と笑顔は処世術。人の振る舞いを記憶し、潜在的な敵味方を振り分け続ける。
自分を利用する人や自分を嫌う人が得意。行動原理が理解できるから。
その能力は望む限り誰にでも与えられる。己を除いては。

十年は前の時事に明るいのならば、葉山の姓に聞き覚えがあるかもしれない。当時相次いだ幼子の失踪事件、その犯人の姓である。美狐は彼の娘に当たる。
経緯詳細は不明なままだ。葉山邸に踏み込んだ隊員が見たのは、胸を抉られ呆然と虚空へ目をやる数多の若き死骸と、食卓に縛られ血を浴び潰れた心臓に囲まれた美狐。首を吊った父の姿だった。
美狐は後に、自らを救うために父は凶行に及んだと述べたが。裏付ける物はなにもない。
ともかく犯罪者の娘として保護された美狐はUGNにレネゲイドウイルスの発現を認められ、オーヴァードとしての訓練を受けた後、その能力の適性から一個の支部を任されるに至った。
鈴のような声で笑う美狐は、かつての惨劇の気配を覗かせる事はない。出自を謗られようとも見つめ返すのみだ。

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