容姿・経歴・その他メモ

　ごく普通の家庭に生まれて、ごく普通の少年として生きていた。
　おそらくは何事もなければ、そのままよくいる普通の人間として生涯を全うしていただろう。
　石井洋介とは、そういう類の人間であった。

　それがレネゲイドの事件に巻き込まれ、死亡し、蘇生して。
　己が誰かの確信も持てぬまま、かつての自分に恥じない生き方を自己証明として生きていた。
――状況が変わったのは、とある島での事件のこと。
　その島で起きた事件に関わったことで、彼は恋を知り、大きな喪失を胸に開け、そして再び、人間となれた。

　遅すぎた自覚と共に、自分が誰かのためのものでなく、自分自身として生きて良い……いや。生きていくべきだ、と思い直したのだった。
　それらの覚悟を胸に抱いたのと同時に、違和感に気が付いたのだった。
　――己の中の“誰か(スワンプマン)”がいなくなっていたことに。

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