鈍い輝きを放つ白金のような色合いの砂を操る。
モルフェウスの力で生み出され、バロールの力で極限まで圧縮されたこの砂は『オスミウム』という現存する最も密度の大きい鉱物と似た性質を持つ。
すなわち重く、硬く、脆い。
武器の作製には向かない性質だが、深愛はこれを砂としての形状のまま振るうことにした。
この重い砂は敵対者に単純な質量を与え、その動きを阻害する。

表向きは明るい性格だが、自分に対して徹底的に肯定感が低い。
それはモルフェウスでありながら武器を作れないためでもあり、後述の事件で発症したサバイバーズギルトの影響でもある。
鉱に対するアプローチも、裏側には「鉱先輩には穂乃香先輩がいるから、私に振り向かなくて当たり前」ということへ安心感を覚えたい、そしてそのような形でしか誰かと関われない自己否定願望が存在する。
レネゲイドの昂りと共に表出する『戦闘用人格』は、抑圧された自己否定の噴出であり、陥れることを許される敵対者への八つ当たりでもある。

『ブラックスミス』と呼ばれるジャームが居た。
刀剣、鈍器、銃火器に至るまであらゆる種類の『至高の一振り』を産み出すことを目指す職人であり、それを売り捌いては戦場を産み出す死の商人であった。
彼の工房には様々な身体条件の人間が運び込まれ、武器の試しのために消費されていたという。
ブラックスミスがUGNとエリヤにより討伐された後、工房からは無数の人間の断片と、檻の隅で固まっていた深愛が発見された。
以来、彼女は武器の類に触れることが出来ない。

オスミウムの語源(羅)に言及されるとブチギレる。