容姿・経歴・その他メモ

記憶

——或る降り暮らす夜、都心のバーにて。

来店を知らせるベルが鳴る。

「お、ユキちゃん！待ってたで。こっちや、はよ隣おいで。（彼女が隣に座る）ん？……ああ、全然平気やで。ユキちゃん待ってる間、なに話そかな〜って待ってるだけで楽しいんやもん。……そんなことよりユキちゃん濡れてへん？ごめんなあ、こんな天気の日に。ほんまは止めとこかって言おうと思ったんやけど、やっぱり逢いたくて。（少し眉を下げ、困ったように笑う）……そんな嬉しいこと言わんといて。抱きしめたなるわ。（目に愛おしさを滲ませる）……どうしたん、ユキちゃん？（目の前に差し出された封筒に目を丸くした後、間を開けて微笑み）ユキちゃん、嬉しいけど受け取れへんわ。俺はユキちゃんのその気持ちだけで充分……っとと、ユキちゃん？！（押し付けられた封筒を思わず受け取った後、十分に時間を取って）……分かった。いつもありがとうな、ユキちゃん。俺、頑張るわ。……ほな、飲もか？今日は俺が出すし。」

——或る風薫る昼下がり、駅前にて。

男は小走りでワンピースの女性に駆け寄る。

「サユリちゃん！ごめんね、待たせた？（上目遣いで顔を覗き込む）……そっか、良かった。本当なら俺が先に着いて待ってるつもりだったんだけど、実はさ…あれ？（何かに気付いたかのように顔を近付けて）……ね、サユリちゃん。お化粧、変えた？……だよね、すごく似合ってる。俺のために頑張ってくれたのかな？（照れたように）だとしたら、すごく嬉しい。……じゃなくてさ！はい、これ。（カバンから綺麗に包装された箱を取り出す）来る途中に見つけて。似合うなって思ったら、プレゼントしたくなって。……え？遅刻の理由？（恥ずかしそうに目を逸らして）……うん、実は、そう。……恥ずかしいな、黙っておくつもりだったのに。（嬉しい、と女性が微笑む）……そっか。サユリちゃんのそんな表情が見られたなら、よかったかな。（時計を確認した男は、慌てて）まずいな、もうすぐ始まっちゃう。行こう！……っと、そうだ。（女性の手を取ると、微笑んで）これでよし。…行こっか。」

経歴

騙すことと盗むことで人生を謳歌する生粋の女誑し。騙すことに快感を覚え、盗むことで生を実感する。その裏には重い過去が…あるはずもなく、ただ純粋に己の力を使ってできることを最大限楽しんでいるだけ。

自在に身体を変化させる”エグザイル”の力と、音の波を操る”ハヌマーン”の力で、男女問わず様々な姿を使用して活動する。その使い道は主に人を騙す為であり、本業（？）の泥棒は他人の心に付け込み上り込んだ家で行うことが多い。

犯罪を働くことに躊躇がなく、また罪悪感も特にない。ただ「楽しいから」犯罪行為に手を染める。
裏を返せば楽しくない犯罪行為に興味はない為、人殺しや高校生以下にはよっぽどのことがない限り手を出さない。

自分が行う行為が正しく犯罪行為であることを理解しており、それによって自分が殺されたり復讐を受けたりすることも受け入れている。それらも全て含めた上で、自分がどこまで行けるのかを試している。

信念

譲れないものも護りたいものもない。
ただ生きたいように生き、やりたいようにやるだけ。
何にも囚われず、また捕えることもない。それが彼の生き方だった。

———たった一つを除いては。

護りたかったもの《アッシュローズ》

楽しそうだから参加した。ただそれだけだった。

日々犯罪に手を染める自分たちの命が、常に誰かに狙われていることも知っていたし、それでいいと思っていた。

それでもたった一つ、たった一人。”アッシュローズ”だけは。
その未来に苦難なきことを願っていたのだ。

恋と言うには重くて、愛と言うには浅い。それくらいの感情を向けていた。本人曰く、「姉か妹がいたらこんな感じなんかなあって。」

チーム結成後活動を重ねるにつれ、チームメンバーに、ひいてはアッシュローズに特別な感情を向けるようになった。

裏社会の人間である以上幸せになる道は限りなくないに等しいけれど。
それでも彼女の道に多くの実りがあることを、自身が生きているうちはその手助けを。

そう願っていた矢先の出来事。

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