N市近くに引っ越してきた頃、何もかもが嫌になってプチ家出をしたことがある。
見知らぬ土地であてもなく歩き彷徨った結果、N市まで来ていた。
そうして彷徨い続けていたところになにかと出会った。
それはこの世のものとは思えないなにか。ジャームだった。
人間と対峙しただけでは味わえない恐怖を感じ、無我夢中で逃げた。
父親が犯罪者だってことも、生まれ育った町を捨てたことも、謝り続ける母親のことも、このときは一切何も考えられなかった。
ただ逃げることしかできずにいた。
自分は無力な子どもなんだと思い知らされた。
気付けば家まで戻って来ていた…なんてことはなく、警察に保護され母親に連絡をしてもらい、家に帰ることができた。
この日の出来事は誰にも言えずにいるため母親も知らない。
ただ酷く心配させてしまったので母親のために頑張って生きようと決めた。

幼少期、まだ家族全員そろっていた時代、父親と公園に遊びに出かけた。
そこで公園に似つかわしくない人物を見かける。
不思議に思いしばらくじっと見ていた。
目が合い、気になって近づいてみた。
遅れて気づいた父親に引き留められ慌ててその場を去ることになったため、結局何だったのかわからずじまいだった。
父親からは「知らない人に近づくな」と注意された。
幼かったことや父親との記憶なので無意識に頭の片隅においやり、当時のことはほとんど覚えていない。

手足を獅子のように変化させて戦うことが基本的である。
主な攻撃方法は鋭く尖らせた爪でのひっかき。
上から思いっきり腕を振り下ろし渾身の一撃を与える。
またオーヴァードになり簡単に死なないのだとわかると、自分を犠牲にして相手に攻撃することも。
自分が傷つくことを厭わない節があり、他の人が攻撃されるくらいならと自分に攻撃を仕向けさせようとする。
相打ち覚悟の捨て身での攻撃になり、相手に思いっきり近づき、自分もダメージを喰らいながらも必死に攻撃をする。

親に心配かけさせてしまうことも、世間の目から逃げることもできるため、普段は猫の姿で支部内にいる。
戦闘時は獅子なのでネコ科が得意なのかもしれない。