とある音楽家の待望の娘として生まれた。音楽的才能……主に歌唱については飛び抜けた才能があり、歌姫として育てられる。
歌うこと自体は柚音の好きなことだったが、その好きの感情すら麻痺するくらい、親の教育がよろしくなかった。苦しくて苦しくて、自ら命を断とうとした。

結果として命に別状はなかったものの、主に精神面的な回復が見込めず、ずっと入院をしていた。当然親からは見放されている。
そうした精神的な疲労からか、柚音は空想の世界を作り上げ、そこであたかも生きているかのような言動を取るようになる。そこで初めて"ともだち"になったのがロイスの細雪ゆらぐ。細雪ゆらぐは柚音のイマジナリーフレンドであり、ゆらぐが現れてから柚音の空想に拍車がかかった。想像したものが現実にもうすらぼんやりとだが現れるようになった。
柚音はこの時にオーヴァードとして覚醒している。

文字通りの空想家になり、現実に戻り切れていなかった。しかし柚音の口にする"世界"に魅入られた人物がひとり。現マネージャーかつロイスの秦野慧。
秦野はUGNに協力するイリーガルで、普段は芸能関係の仕事をしている。本人が無自覚の状態でオーヴァードとして覚醒してること、それから純粋にその歌と世界に魅了されてしまったことから柚音に接触。彼女の現状を知る。
そして彼は柚音を現実の世界も悪くないものだと説得、「自分の歌いたい歌をうたい、自分の好きな世界を作り上げて欲しいんだ」と伝えた。その言葉を受け入れた少女は、自身の空想と、既に変貌を遂げている現実が共存する"世界"を認識した。
半分は現実を見て、半分は夢見心地で生きながら今のシンガーソングライターの地位をものにした。
また柚音は彼に恩を感じ、自身もUGNに協力することにした。シンガーソングライターとして活動しながらジャームとの戦闘に身を投じることだろう。

・ある時、本当に、本当に本当に本当に空想の世界へ行きたいと願ってしまった。その世界を作り上げたいと思ってしまった。自分の一声で、なにもかもを支配しようとしたかった。
どこまでも遠く、澄んだ空の下。みんなの笑い声と楽し気な雰囲気、パステルで覆われた夢の景色。わたしを理解して寄り添ってくれるともだち。
それを手にしようとした時――細雪ゆらぐは現れ、琴里柚音は覚醒した。
・衝動は思考の停止及び支離滅裂な言動と妄想。柚音だけの空想の世界を作り上げようとしてしまう。
つまり戦闘中侵食度が上がるたび、支離滅裂な妄想をうたい、奇妙な世界を作り上げる。