幼少期

アメリカのとある神話的民話とそれに纏わるウイルスの研究を行い日本人女性の妻と結婚した父親の元に産まれたのが拓海であった。

研究熱心な父親が好きで止められても研究のために現地に足を運ぶ父について行っていたのが彼にとっての日常であった。

父親の仕事仲間でもあるベルナール・ブルム、アルフレッド・J・コードウェルと知り合ったのもこの頃である。

子供のように好奇心ではしゃぎながら、少しでも父親らしい顔をしようと拓海に言い聞かせた、父親の｢父さんは世界を守るために、誰も見たことのない世界を見て事前に危険を取り除く仕事をしているんだ！｣と言うセリフに感動と憧れを覚えた。

それから数年後…今から約20年前のできごと、父親の仕事について行きスクールが休みであった休日にアメリカにある研究施設に父親の後を着けて忍び込んでいた。
厳重なセキュリティではあるが重役である父親について行き侵入を試みた経験は数しれず、その日もいつものように侵入に成功した。
だが、結局はただの子供であるため職員によって見つかり、またいつものように父親の説教をくらうのかと覚悟したつかの間。
突如意識を失ったかと思えば、拓海は人間の物とは思えないような体温で熱を出していた。
レネゲイドウイルス研究の第一人者であり拓海の父親であったジョージ・バトラーによって導き出された結論は息子である拓海のオーヴァードへの覚醒であった。

青年期

オーヴァードとして研究されながらも人として父親の元、普通の生活をする日々を送りながら世界の裏側をぼんやりと眺めることができていた。

レネゲイドウイルスを巡ってUGNとFHという組織が動いていること、父親はUGNという組織に所属しながら子供の時の自分に語ってくれた｢世界を守るために自分が危険な目にあっても未知を探求する｣という信念を持って研究に励んでいること。

自分はこれからどうなるのかと考えていた11年前のある日、とある知らせを受ける
レネゲイドウイルスの研究のためニュージーランドに出張していた父の訃報であった。
研究中の事故であったらしく父やその仕事仲間であったベルナールを含む多くの研究者が亡くなったとの事だった。

尊敬していた父を失った悲しみも癒えていないある日のこと、自分の家を訪れた喋るフクロウによって自身の日常は終わりを告げた。

自身の主であるベルナール・ブルム。そしてその友であった自身の父親であるジョージ・バトラーの意志と使命。
父親が掲げた世界平和を脅かすものがこの世界には存在しており。自分にはそれを止める力がある。

父親程の知力や思考力はないが、父親には無かった力と父親も持っていた勇気と意思が拓海・A・バトラーにはあった。

現在

スクールを卒業した拓海はUGNに所属することなくイリーガルとして世界を放浪することを選択した。

理由とするなら、父親が死んだきっかけである事故の被害者であるはずのコードウェルの生存とFHへの加入。UGNという組織にある歪みに影響されない駒が必要であると考えたからである。

ガウラスとの関係

内戦地域に義勇軍として来ている米軍にレネゲイドの調査のため同行したさいに、同行した軍で部隊長をしていたのがヴァシリオス・ガウラスであり、これが彼との出会いであった。

オーヴァードの秘匿のため一般の志願兵として入隊しながらガウラスとの交友を深めていた。

戦争の残酷さを思い知ったのは彼の部隊が敵国軍に包囲され蜂の巣にされた時であった。

立っていたのはオーヴァードであった自分とオーヴァードに覚醒してしまったガウラス部隊長の2人だけであった。

彼の信念を否定しきることはできないが、今は彼を止めるために奮闘している。

現在の目的

旅を続けながらガウラスの暴走のような行動に責任を持ちそれを止めることが直近の目標
最終的にはアルフレッド・J・コードウェルの真意と11年前の事故の真相を追うことである。