容姿・経歴・その他メモ

履歴

両親が有名で、生まれたときから周囲の大人たちから期待されて生き続けてきた。
その期待を裏切ってしまえば、両親に怒られ周囲の人間から失望されてしまう。
それが恐ろしかった。だから、いつも周囲の期待に答え続けてきた。答えられる才能もあった。
そんな生活を続けて彼女が中学生になったころ、大きな事故に巻き込まれてしまう。

その日は、大きなピアノの発表会だった。両親は仕事の都合で一緒には行けないからと彼女は一人でタクシーで送られた。
しかし、その途中で大きな事故に巻き込まれてしまい彼女はそこで瀕死の重傷を負ってしまう。
発見時は生きているのが不思議なほどの大怪我だった。

両親からは生きていることは喜ばれたが、腕に障害が残ってしまい二度とピアノを弾くことができなくなってしまった。
それを知って両親は悲しんだ。
彼女に掛けられていた期待や興味などは失われ、代わりに腫物を見るような目で見られることが多くなっていった。
両親からも、私達の願いを叶えることができないのならば、好きに生きなさいと言われ、話しかけられることも減っていった。

今まで両親や周囲の人間からの期待に応えるだけの人生だった彼女は、自由というものが分からなかった。
だからだろうか、セルリーダーが彼女をセルに引き入れる時に行った、「自由に生きてみない？」という言葉に引かれ、彼女は自由というものを知るために、そのFHセルに入った。

そこでの暮らしは、彼女の事を誰かの娘ということもなく、期待されることもなければ、腫物扱いもされない。彼女にとって初めての場所だった。
最初は困惑したが、次第に彼らの空気に溶け込んでいき自由に生きるということを知っていった。

だが、その生活にも終わりが来てしまう。
彼女の所属していたセルはUGNの大規模作戦により壊滅し、セルは崩壊へと追い込まれる。
彼女はその時何もできなかった。いや、何もしなかった。
仲間が次々と倒されていくときも、セルリーダーが始末されるときも、彼女はただ逃げることしかできなかった。

そうして生き延びて、彼女は自由に生きるには相応の力が必要なのだと理解する。
だが、彼女には生まれた家庭も、周囲の人間も自由とは程遠い存在で、自由を手に入れてもそれを守る力も、知恵も、勇気も何もなかった。
だから彼女は自分の過去を全て捨てて、ただ自由に生きるために、どこでもない誰かになることにした。

今の彼女は何かに縛られることはなく、自由に生きているようだが、それでも彼女は捨てた過去に縛られ続けている。

現在の彼女の名前は偽名であり、元の名前の彼女は死亡扱いとなっている。

過去の事件から数年がたったある日、彼女が目を背けていた過去と対峙する出来事があった。
あの日から逃げ出した自分一人だけだったなら、あそこであきらめていただろう。
だが、今の彼女には少ないけれど共に戦う仲間ができた。
その仲間達と共に、過去の因縁との決着をつけ彼女は過去のしがらみに終わりを告げることができた。
今の彼女は、本当の意味でFHセル明日の自由の為に(スケアクロウ)セルリーダー虚白 誰何(ウツシロ スイカ)になれただろう。

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