竹を割ったような性格。
笑うときはお腹が痛くなるほど。
怒るときはうなるように。
落ち込むときは徹底的に。

頭はいいがバカなのでいつもチャレンジしては失敗して、
ふざけていれば成功する。
でも本人はいつでも楽しそうに発明品を作る。

この世にすでにあるものを模倣する能力を持っている。
能力で作れるものが模倣品だけであるという以外にも施行にすら能力が影響してくる。
彼の思いつくものもすでにこの世にあるものしか出てくることはない。
技術、改良、デザイン、カラーリング、プログラムコード、サイン、失敗作。
どれ一つとして彼から生まれるものは存在しない。

彼は発明家などではなく無自覚な贋作家である。

贋作家として彼を見るのであればだれよりも優れているだろう。
発表、未発表問わず、経験、知識を問わず、完全に一致したものを作ることができるのだから。

俺ってさ、ちっちゃい頃からじっちゃんとばあちゃんの家で暮らしてたんだ。
いなかだけどじっちゃんは工業団地で働いてていつも洗濯を手伝うとポケットからねじがぽろぽろとこぼれてくんだよ。

その新品じゃないねじにどれだけ気持ちが高ぶったことかなあ。
ちょっと煤けてて削れててお疲れ様だったそのねじをじっちゃんからよくもらっててなあ。
お祭りでもらったキラキラ光るおもちゃの石よりも汗水たらして働ききったみたいなそのねじが俺は大好きだったんだ。

だからものづくりにずっと興味があったんだ。