容姿・経歴・その他メモ

「なに見てんだよ。用ならコッチには無いから話終わりな」


素っ気ない雰囲気を漂わせる高校２年生。両親がおらず、生活の為に放課後はバイトに明け暮れている。
その為か付き合いも悪く、上記の性格に加えてそも昼間はずっと机に突っ伏しているせいでクラスメイトですら彼女のことをあまり知らない……

「……しつけぇな。言えることなんか何もないつってんだろ。そもそもなんにも憶えてないんだから」

彼女は自身に関するほとんどの記憶を失っている。産まれも、幼少期も、自分の名前すら所持品から推し量ることしかできず、ただある日突然見知らぬ部屋で目覚め、なにもわからないままとりあえず目先の生活のため労働に勤しんでいる。
基本的にバイトか睡眠くらいの一日だが、数少ない趣味としてソロキャンプがある。道具はなぜか部屋に揃っていた……どうやら記憶をなくす前から好きだったようだ。

学校で馴染めていないのも「過去を持っていない」ことによる余計な詮索を鬱陶しがって距離をとっている為。求めてもないぎこちない気遣いも、ぶしつけな質問も、聞かれたって自分にもわからないどうして今一人で生きているのかだって、誰だって時給も貰わずにそんな会話やりたくない。

「話したってお互い時間の無駄だろ。……どうせアタシにまともな過去はないんだ。他のヤツらとも、アンタとも違ってな」

目覚めていた時に、憶えていたことはごく僅か。この部屋が自分の物だということ、そして春から高校に通わないといけないこと。そして━━

"百眼"、"オーヴァード"、"複製体"。それから……"インフィニティコード"と、"マスター■■■■"

真っ当な高校生、というヤツが持っているはずのない記憶の欠片たち。きっと過去にかかわる大事なこと。薄気味悪いジェーン・ドゥから桜羽 弓沙になるための手がかり。

それでも…それが意味することを知った時。何かが、この日常が、変わる。変わってしまう。



だから、今日も彼女は目の前のバイトに勤しむ。過去を求める自分と追うべき導を目に入れながらも、それでも昨日と同じ今日、今日と同じ明日を続ける為に。

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