容姿・経歴・その他メモ

中東の砂漠地帯で密かに暗躍していた暗殺者一族「アシュトレイア家」唯一の生き残り。

厳しい訓練の果て、彼女は生まれながらにして命を奪う術を叩き込まれ、感情を封じ、命令のままに殺す術を身につけていた。
砂のように乾いた心で、ただ命を摘んでいく日々。
対象が悪か善かなど、彼女にとってはどうでもよかった。
“命令”こそが絶対の存在であり、刃の先に何があろうとも心は決して揺れなかった。

だが、五年前、突如として襲撃者が現れ、一夜にして一族は滅びた。
凄まじいほどの暴力。自由自在に砂を操り、瞬く間に倒れていく一族の者たち。
その恐るべき力を前に、仲間たちが次々に砂へと沈む中、ナイラもまた心臓を貫かれ絶命したはずだった。
しかし、彼女は生き残った……いや、生き返ったのだ。
襲撃者の手が己の心臓を握りつぶした瞬間、その果てしない絶望と後悔の中で、彼女はオーヴァードに覚醒した。
そして数時間の激闘の果てに、彼女は襲撃者を討ち果たした。
その正体は、彼女がかつて殺した標的の娘だった。

次に目覚めた時、周囲には誰もいなかった。
冷たい風と砂の匂いだけが、彼女の生を嘲笑っていた。

それでも、なお生き延びたのは、贖いのため。
「奪うことしかできなかった自分」に決別するためだった。
血に濡れた身体を引きずり、砂を踏みしめ、幾つもの夜を流離いながら命の意味を探す旅を続けた彼女を拾ったのが、真神麗華だった。
治癒と慈愛の手を差し伸べられたとき、ナイラは初めて“救い”というものを知った。

今、彼女は真神探偵事務所で調査員兼相談員として人々の声を聴く。
その声は静かで穏やか、まるで祈りのように。
罪を犯した者にも、傷ついた者にも、分け隔てなく光を注ぐ。
だが、命を弄び、苦しみを快楽とする者に対してだけは、微塵の慈悲も、容赦もない。
かつての自分と同じ、壊すことしか知らぬ者たちを、ナイラは静かに断罪する。

戦場において、彼女の姿はまさに蜃気楼。
光と砂に溶け、祈りのような剣舞を残して敵を断つ。

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