志藝山の家系は古くからオーヴァードと戦ってきた歴史を持ち、現代においてもUGNエージェントやその協力者を多数輩出してきた。
その中でも、時折生まれる赤い髪の子供は強力なオーヴァードの力を秘め、一族の家宝である妖刀を受け継ぐ資格を持つという。
彼女、火乃迦（ホノカ）こそ代々伝わる赤髪の子供であり、幼きころから無辜の人間に仇なすジャームと戦う使命を言い聞かされてきた。だが奴は…弾けた。
普通の女子高生として生きていきたかった火乃迦は家出同然の状態で使命から逃げ続けていた。おしゃれもしたい。恋もしたい。辛い修行なんて、まして命がけで戦うなんてまっぴら……そう思ってた。彼女の父がジャームに殺されるまでは。

彼女の父はオーヴァードではなかったが、UGNの協力者だった。ある日、惨殺死体を発見した彼は一早くジャームの仕業だと見抜き、速やかにUGNに連絡。到着までの間近隣の者を避難させているところ、ジャームに襲われた子供を自らの身体でかばうように隠し、その命と引き換えにして守った。

戦う力を持たない父が、命を投げうって子供を守った。ならば力ある自分はどうすればいい。彼女が使命に目覚めたとき、志藝山家に伝わる妖刀「鬼灯」が赤く輝いた。自らの主を呼ぶかのように。