色素が抜け落ちたような灰色の双眸、きっちりと肩口で揃えられた茶の絹のような髪を持つ、女顔の少年。割と気にしている。
動きやすさ重視で下はジャージのズボン、上はノースリーブシャツの上にダボっとしたジャケットを羽織って機動性を上げている。
また、首元や風にはらりと舞って見える腹部、脇腹には所々包帯やガーゼが張られており生傷の絶えない状態を良く視覚で実感させてくる。

真面目で大人しく気弱な性格であり、何かに挑戦することにもしり込みしては情けない姿を見せていること、その顔立ちから余計に少女のように見える状態を悪化させている。
またそこそこのサブカルオタクな気質があり、そっち方面の話題になると時折タガが外れて語り出すとか。

ここまで見れば一見普通の少年だが、幼少の頃に憧れたヒーロー譲りの正義感と、どれだけ困難な状態に陥ろうとも消して自分の信念を曲げない精神力を持つ。
困っている人を放っておけず目の前で危機に陥っている、または悲しみや辛さで泣いている際は自己を一切顧みず助け出そうとするオーヴァードにも早々いない行動力を持つ判断、実行の鬼。

誰かを助け、悪しき敵を打ち砕く為であれば自身が大怪我を負うこともいとわずに全力を以て挑む姿には、他者救済の一面しかなく、自己を助けるべき/助かるべき人間であるという勘定が及ぼされていない。
こうなってしまったのはある事件の折であり一種のサバイバーズギルトも関わっており...？

その両腕を遺産に置き換えられた、一般家庭出の少年。

その身に宿した超パワーを手に、いつか憧れたヒーローのように誰かを助けるべく。自分が来たことで安心してもらいたいという一心で己が力を研ぎ澄ませている。

2年前、腐れ縁でもあり犬猿でもあり、それでも憧れていたオーヴァードの幼馴染と共にジャームに襲われた際覚醒。
本来の両腕、幼馴染、普通の生活を失うことで強大な力を秘めた遺産、スーパーパワー、普通じゃない生活を代わりに手に入れてしまった。

死に物狂いでそのジャームを討伐したものの、生き残ったのは世凪一人。唖然、茫然、慟哭し蹲っていた所を現師匠に拾われ、強くなりたいと懇願して弟子入り、オーヴァードのイロハを叩き込まれる。
それ以降は師匠の無茶振りによって雑にオーヴァードのヤクザ相手にカチコミさせられたり、修行と称して明らか格上と雌雄を決せさせられる生活を送る。
その結果決して性格や成績は悪くないものの授業をサボりがちな為不良生徒のレッテルを張られている。


『ところで師匠。修行なのになんで好きな女のタイプを聞かれてるんですか僕。絶対関係ないですよねェ！？』

両腕に宿りし遺産をブラックドック能力で強引に戦闘モードに変更。
全身に鉛色のラインを浮かべ、同色の雷光を纏って拳で全てを破壊する肉弾ファイター。
遺産の強制起動、神経伝達の高速化を無理矢理に行っている関係上、どうしても力の行使の度に反動が襲い掛かる。

切札は全身のギアを最大限まで上昇させて放つストレートパンチ。
その一撃を放った場合、それはまるでオーバーヒートを起こし強制終了されたように全身の強化が一旦全て解除されてしまう。