名を『闇纏(やまと)』と呼ばれる、あらゆる邪を断ち切る力を持つとされる刀と鞘で一対の遺産。ジャームの力を無効化する刀と、その力を抑え溜めるための器としての機能を持つ鞘で構成される。
　「邪を持って悪鬼を制す」という信念のもと、平安の時代に蔓延っていた悪鬼(ジャーム)100体の血肉を素材としており、鞘から引き抜くと同時に素材となったジャームとこれまでに切ってきたジャームの力が溢れ出し所有者に力を与えるが、強靭な意思がなければ制御できず一気にジャーム化するリスクを孕んでいる。彼女が刀を抜かない理由は純粋に学校の荒事を解決するには過ぎた力であることは勿論だが、それ以上にこの力を制御できる自信がないから。
　鞘にはその特性上刃が簡単に抜けないようにするための封印機構が施されており、引き抜くには『口上』とを唱える必要がある。
『常夜を祓え』

綾音家に伝わる近接攻撃技の総称。二つの徒手術と奥義を含めた四つの剣術の計六つの技で構成される。
・壱の型　黒底(コクテイ)・激震(ゲキシン)
　筋肉の伸縮を利用した瞬発力で一瞬の間に一ヶ所に複数の打撃を叩き込む技。綾音流殺法における基本的な体の使い方で、弐の型と対になっている
・弐の型　白蓮(ビャクレン)・海神(ワダツミ)
　体を骨と重力のみで支え、身体を一つの水袋のように扱い一撃に全身の体重と相手の攻撃の威力を乗せて放つ技。綾音流殺法における基本的な体の使い方で、壱の型と対になっている
・参の型　黄奇(キキ)・陽炎(カゲロウ)
　緩急をつけた動きとブラフの攻撃で相手を翻弄しつつ、隙ができた所で本命の一撃を叩き込む技
・肆の型　赫衝(セキショウ)・吹雪(フブキ)
　筋伸縮により衝撃波を纏った複数の打撃を打ち込む突き技
・伍の型　蒼炎(ソウエン)・不知火(シラヌイ)
　受けた力をコントロールし、自分の斬撃に乗せるカウンター技。受けた攻撃を体の中で長く滞留させることで威力が上昇する
・陸の型　紫電(シデン)・武御雷(タケミカヅチ)
　筋力の伸縮による瞬発力と全体重を乗せた一撃を最大効率で行うことで放つ綾音流殺法奥義にして神速の抜刀
・漆の型　月虹(ゲッコウ)・凄乃皇(スサノオ)