ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

 燕  若葉    - ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

薫風羅刹(アネモス・ウィン) 燕  若葉   (つばくろ わかば    )

プレイヤー:ごっちん

弱い者いじめはダメだよ。
そんなの、ヒーローのあたしが許さないから。

年齢
17
性別
星座
不明
身長
160
体重
血液型
O型
ワークス
アトランティス
カヴァー
なし
ブリード
ピュアブリード
シンドローム
ハヌマーン
HP最大値
28
常備化ポイント
6
財産ポイント
0
行動値
6
戦闘移動
11
全力移動
22

経験点

消費
+66
未使用
0
フルスクラッチ作成

ライフパス

出自 忍者の家系である燕一門の末裔。
権力者の血統
経験 UGN暗殺部隊の入隊前に二色と出会い、仲良くなった。
親友
邂逅/欲望 風羽(かざは)師匠。厳しい。
師匠
覚醒 侵蝕値 生まれ持たなかった若葉への、師匠による特訓
素体 16
衝動 侵蝕値 好奇心。血気盛んなお年頃
闘争 16
侵蝕率基本値32

能力値

肉体3 感覚2 精神2 社会2
シンドローム1×2 シンドローム1×2 シンドローム1×2 シンドローム1×2
ワークス1 ワークス ワークス ワークス
成長 成長 成長 成長
その他修正 その他修正 その他修正 その他修正
白兵5 射撃 RC 交渉
回避 知覚 意志 調達1
情報:噂話2

ロイス

関係 名前 感情(Posi/Nega) 属性 状態
Dロイス 申し子(セレクティッド) BK 「Dロイス:申し子」専用エフェクト取得
シナリオ 水鞠市の街と市民 庇護 猜疑心
二色憂星(にいろ ゆうづつ) 好奇心 厭気
アリス 純愛 無関心
ニト 連帯感 嫉妬
ヒイチ 純愛 劣等感
牧田 優吾 尊敬 劣等感

エフェクト

種別名称LVタイミング技能難易度対象射程侵蝕値制限
リザレクト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 効果参照
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇
ワーディング 1 オートアクション 自動成功 シーン 視界 0
非オーヴァードをエキストラ化
コンセントレイト:ハヌマーン 2 メジャーアクション シンドローム 2
C値
援護の風 7 オートアクション 自動成功 単体 視界 2
判定前に使用,判定ダイス+7(Lv個),ラウンド1回
バトルビート 5 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 2
そのメインプロセス中のハヌマーンエフェクトの判定ダイス+Lv個
吠え猛る爪 2 メジャーアクション 〈白兵〉 対決 武器 2
装甲無視,攻撃力-3(=5-Lv)
リミットリリース 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 6 100%
判定前に使用,C-1(下限5),シナリオ1回
マシラのごとく 5 メジャーアクション シンドローム 対決 単体 5 80%
攻撃力+50(Lv*10),判定ダイス-5,シナリオ1回
スピードフォース 1 イニシアチブ 自動成功 自身 至近 4 ピュア
他エフェクトと組み合わせ不可。イニシアチブにメインプロセスを行える。シナリオLv回。
ランナウト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 6 Dロイス
エフェクト使用前に使用,エフェクトのLvを+2(Lv上限なし),シナリオLv回,〔「Dロイス:申し子」専用エフェクト〕
軽功 1 常時 自動成功 自身 至近 0
壁面や水面を走れる あと軽い
高濃度酸素バブル 1 メジャーアクション 自動成功 範囲(選択) 至近
高酸素の空間を作って疲労回復・集中力・水中呼吸(・リウマチ・腰痛)に効く
無音の空間 1 メジャーアクション 自動成功 単体 視界
自身か対象物の気配を完全に消し去る

コンボ

日本刀〔鳳雛(ほうすう)

組み合わせ
《武器装備:日本刀》[0] 〔自身・至近〕日本刀ステータス:〈白兵〉,命中-1,攻撃力+5,ガード値+3
タイミング
オートアクション
技能
白兵
難易度
対象
自身
射程
武器
侵蝕値
0
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
3
5
100%以上
3
5

武器「日本刀」装備, ウェポンケース使用対象

燕風の陽

組み合わせ
《バトルビート2》[2]〔自身/至近〕そのメインプロセス中のハヌマーンエフェクトの判定ダイス+Lv個
タイミング
マイナーアクション
技能
難易度
自動成功
対象
自身
射程
至近
侵蝕値
2
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
2
100%以上
3
160%以上
4

颶風(つむじかぜ)

組み合わせ
《スピードフォース1》[4]〔自身/至近〕他エフェクトと組み合わせ不可。イニシアチブにメインプロセスを行える。シナリオLv回。
タイミング
セットアッププロセス
技能
難易度
自動成功
対象
自身
射程
至近
侵蝕値
4
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
100%以上

他エフェクトと組み合わせ不可。イニシアチブにメインプロセスを行える。シナリオLv回。

旋風飛燕

組み合わせ
《コンセントレイト:ハヌマーン2/吠え猛る爪2》[4]〔単体/武器〕C値-2/装甲無視,攻撃-3/攻撃力+5,判定-1,ガード値+3(武器判定)
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
単体
射程
武器
侵蝕値
4
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
3
8
5+-1
5-3
100%以上
3
7
5+-1
5-2
160%以上
3
7
5+-1
5-1

風車一閃

組み合わせ
《援護の風7》[2]〔単体/視界〕判定ダイス+7,ラウンド1回
タイミング
オートアクション
技能
難易度
自動成功
対象
単体
射程
視界
侵蝕値
6
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
7
8
-1
5-3
100%以上
8
7
-1
5-2
160%以上
9
7
-1
5-1

降魔斬り

組み合わせ
《マシラのごとく5/ランナウト1》[11]〔単体/武器〕攻撃力+50,判定ダイス-5/1つのエフェクトのLv+2/シナ1回
タイミング
オートアクション
技能
難易度
対決
対象
単体
射程
武器
侵蝕値
11
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
80%以上
-5
70
100%以上
-5
80
160%以上
-5
90

ランナウト+マシラのごとく,ランナウト対象《マシラのごとく》,
シナリオ1回

襲天神風

組み合わせ
《リミットリリース1/ランナウト1》[12]〔単体/武器〕C値-1/1つのエフェクトLv+2/シナ1回
タイミング
オートアクション
技能
難易度
自動成功
対象
単体
射程
武器
侵蝕値
12
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%以上
-1
160%以上
-1

ランナウト+リミットリリース,ランナウト対象《援護の風》,
シナリオ1回

冥界落とし

組み合わせ
《リミットリリース1/マシラのごとく5/ランナウト1》[17]〔単体/武器〕C値-1/攻撃力+50,判定ダイス-5/1つのエフェクトLv+2/シナ1回
タイミング
オートアクション
技能
難易度
対決
対象
単体
射程
武器
侵蝕値
17
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%以上
-5
-1
80
160%以上
-5
-1
90

ランナウト+リミットリリース+マシラのごとく,
ランナウト対象《マシラのごとく》,シナリオ1回

武器常備化経験点種別技能命中攻撃力ガード
射程解説
日本刀 5 白兵 〈白兵〉 -1 5 3 至近 強い。美術品にもなる。
一般アイテム常備化経験点種別技能解説
ウェポンケース 1

経験点計算

能力値 技能 エフェクト アイテム メモリー 使用総計 未使用/合計
5 191 0 0 196 0/196
侵蝕率効果表

現在侵蝕率:

容姿・経歴・その他メモ

概要

ハヌマーンのピュアブリード。

アトランティスの忍者担当であり偵察要員。なのだが、偵察はあくまで肩書きだけで
それといった偵察の仕事をしているわけではない。また、そこまで得意というわけでも
なく、結局最後は力で解決している。

血気盛んな年ごろで好奇心旺盛、大胆で大雑把な性格。

また、出自としては忍者の一族である燕一族の出身。しかし、若葉は一族の血統ならば扱え
るはずの忍術が使えないため異端児として扱われていた。そのため一族からは嫌われており、
それをきっかけに燕一族から逃げだした。
また、逃げ出した後に二色憂星と出会い、彼と一緒にUGNへ入ったが、その後裏切り者を精査
・処分する部隊に配属され、そこでの任務にも嫌気が差し、今はそれも脱退している。
そちらの脱退理由は、正義のヒーローになるためにUGNに入ったはずなのに、自分のやりた
かったこと、なりたかったものとは違ったと、何となく思ったためである。
そうして、現在は牧田と出会い、抵抗組織『アトランティス』に所属し、活動している。

戦闘スタイルは、日本刀による近接戦闘を得意とする。
忍者であるが忍術は使えず、体術のみで戦う。

キャラ関係

・PC1(ヒイチ):
配属当初は荒々しい感じであったものの、同性で話したかった気持ちもあり当時から積極的に
接してていた。現在では、若葉より低い年齢であることから妹のように思っている。仲は良い。
戦闘時には卓越した力で敵をなぎ倒すので、その時のヒイチには頭が上がらない。
ヒイチかひーちゃんって呼ぶ。

・PC3(牧田)
出会い当初に食べ物をくれ、自分の居場所を与えてくれた恩人。好奇心のせいで何かしらの
いたずらをして、牧田によく怒られる。三色と二人合わせてお兄ちゃんのように思っている。
戦闘時にはいつも守ってくれるので、何も心配せずに安心して背中を任せられる存在。
優吾(呼び捨て)って呼ぶ。

セリフ

弱いものいじめすんなこんにゃろー!(子供を襲っていた複数のジャームをなぎ倒す)

ふぅ…。えーっと大丈夫?あんた一人でなんでこんな森の中うろついているのよ。
危ないから早く家に戻りな。ん?わたし?わたしは大丈夫よ。何てったってヒーロだもん!
ほら、だって実際にあなたを怪物から救ってあげたでしょ?え?女のヒーローなんてテレビで
見たことない?
いやヒーローに性別も何もないでしょう!強ければ関係ないの!ほら、もういいからとっとと
帰りなさい。え?迷って来た道が分からない?もう世話かかるわね。じゃあお姉さんも一緒につ
いていってあげるから、何となく来た方向とか思い出してよ。こっち?

…そういえば、あんたなんで一人でこんなところまで来て迷子になってたの。え?お母さんに綺麗な
花をプレゼントしたかったけど見つからなかったから?へーすごいじゃん!それってすごい素敵ね!
じゃあ私もあんたのお母さんのために綺麗な花を見つけてきてあげるよ!たしかこっちの道だと、
ちょっとした小道を通った先に綺麗なお花畑があるの!そこでいっぱい咲いているお花で君のお母さん
をうんと喜ばせてあげよう!

(アトランティス付近にある森の中にて、散歩中に起きた出来事より)



生い立ち


若葉は、燕(つばくろ)一族の里の末裔として、薫(かおる)と颯(はやて)の元で生まれた。
燕一族とは、ハヌマーンのピュアブリードであるという文化が存在する忍者の一族であり、
また超越した風の忍術を扱うことに長けた集団でもあった。
だが、そんな一族のもとに生まれた若葉だが、彼女は才能に恵まれなかった。いや、才能
というよりは運命に恵まれなかった。

幼少期の頃から、燕一族の忍術の稽古は開始される。その稽古では体力付けのための練習や
風の忍術を操るための勉強など様々な戦闘に備えるための厳しい内容であった。

若葉は、その稽古の内容についていくことに特に苦労はしなかった。体力がなかったり、忍術
の勉強が難しかったりしたわけではなく、むしろその点においては平均以上の能力があった。

しかし、燕一族ならばどんな幼子からも習得しているはずのものを、若葉は持っていなかった。
それは、風の忍術を使うということ。一族みな当たり前のように出来ている風の操作が、若葉
には当たり前に出来なかった。


最初は遅咲きということで周りには納得されていたが、そもそも生まれてから備わっているはず
の能力が備わっていないという事自体おかしいことであり、どれだけ時間がたっても一向に忍術
が習得できなかった若葉は段々と異端児として扱われ、ついには両親の薫と颯ふくめた家族全員
が「一族の恥」「一族の外からきた余所者」として里から軽蔑されるようになってしまった。

そんな中、両親の薫と颯はどうにか若葉が一族のひとりとして認められる方法はないかを考えて
いた。そして、両親はとある一族の過去の異例を思い出し、そこに望みを託せないかと考えた。
燕一族では代々の頭首が選ばれており、現在は20代目まで続いている伝統なのだが、そのうちの
15代頭首 風羽(かざは) は、忍術こそ使えたものの、その威力は歴代最弱であり、幼少期の
勉強中である子供と互角くらいなのではないかと言われたほどのものであった。
しかし、そんな彼女が頭首になった理由は、彼女には圧倒的な体術の才能があり、それだけで里
の者を凌駕できるほどの実力を持っていたからであった。

若葉の両親は、その風羽から体術の教えを請えば、若葉も一人前の燕一族の一人になれるのでは
と考えた。
そのため、噂だけを頼りに、現在は燕一族の里より更に奥深くの森の中にある寺で隠居をしてい
るかつて里の頭首 風羽 に会いに行った。


師匠 風羽との邂逅


暇を持て余していたという理由だけで、風羽はあっさりと若葉の修行を引き受けた。
もちろん、若葉の忍術は鍛えずに身体訓練を実施することになった。それは若葉にとってこの上
なく嬉しいことであった。何故ならば、里の修行では忍術を主に扱うため、身体の訓練は必要以上
の鍛錬は積まず忍術の練習や勉強をメインにおこなう。しかし、忍術も使えず、また体力だけに
自信のあった若葉は、その身体訓練が一番自分の力が伸びている感じがしたし、何より楽しかった。

しかし、その気持ちは修行開始後に180度回転した。それはまさに地獄と呼べるほどのものだった。
一日の起床中はずっと修行の時間であり、体力も精神もひと時でさえ休まる時間がなかった。
里での扱われ方も中々に応える辛さがあったが、この修行はその辛さを忘れてしまいそうになる
ほど過酷だった。
何度も泣き、そして何度も蔑まれてもいいから帰りたいと思った。しかし、そのような事を思う度
に、心を読まれていたかのように風羽からある言葉を言われた。
「もし今帰ったら、あんたはこの先ずっと腑抜けた根性なしのままになるよ。私も持って生まれて
 こなかったように、あんたも持って生まれてこなかった存在なんだ。そんな運命の元にある人間
 は、遅かれ早かれその壁を乗り越えなきゃいけないタイミングが訪れる。そしてあんたにとって
 それは今なんだ。このタイミングを逃したら、またいつそのタイミングが訪れるか分からない。
 だから今なんだ。あんたは私を恨んででも、"今"覚悟を決めなきゃいけないよ。」
毎回厳しい一言を据えてきたが、なぜだかその言葉には同情と慈愛が込められているような気がし
た。若葉はその言葉だけを信じて、今すべきことだけに尽力した。両親を喜ばすために。一族から
認めてもらうために。


里からの脱退


風羽との修行を無事に終えて、若葉は里に戻ることにした。一人前、とまではいかないがある程度
の体術を身に着けて帰宅した。しかし、若葉が帰宅すると以前まで一緒に忍術を教わっていた同い
年の子らが突然目の前に現れ、有無をいわずに若葉に対し嫌がらせをし始めた。どうやら今日若葉
が里に戻ってくるという噂を聞いた者たちが、その少し学んで成長した忍術を見せつけるかのよう
にいじめを仕掛けてきた。そして優越感を浮かべたその表情は、自分を蔑んできた他の里の者と同
じ表情となっていた。まるで里全体が一丸となって彼らを洗脳したかのように。その顔を見た瞬間、
ああ、まだ自分の居場所は里には存在していないのかと悟った。いや、もしかしたらいつになって
もあの里に居場所はできないのかもしれない。きっと両親なら今の変わった自分の姿を見て喜んで
くれるはずだろうと考えていたが、それもだんだん不安になってきた。意気揚々と帰路について変
わったと思っているはずの自分を見て、両親が落胆の目で自分を見てきたらどうしよう。そう思う
と震えが止まらなくなり、急な焦燥に駆られてしまった。目の前のこいつらなんてどうだっていい。
ただ、家族だけに認めてもらえれば、あの両親に認めてもらえればそれでいい。でもそれがただの
空想だったら嫌だ。そんなの嫌だっ…!そう思うと若葉は急に目の前が真っ暗になり、すぐにその
場から離れたい衝動に駆られた。逃がすまいと邪魔をしてきた周りの者全てを、疾風の如く一瞬の
うちに一掃し、そして若葉は里とは反対の方向へと、一心不乱に駆けていった。


二色との出会い


あれからどれくらい走ったのか覚えていない。自分が今どこにいるのか分からない。疲弊しきった
体、枝や岩で切った切り傷があり先ほどまで苦しかったが、その感覚さえも今は感じない。お腹が
すいていたとしても帰り際に風羽師匠からもらったおにぎりは既にどこかへ落としてしまっていた。
自分はいったい何をやっているのだろう…里のために、いや家族のために今まで頑張ってきたはず
なのに、それに裏切られるのではというただの空想に過ぎないものに心が負けた。そんな自分にも
嫌悪感がまし、ますます気分が悪くなっていく。気付くと仰向けになって空を仰いでいた。空を数
秒見た後に転んだことに気付いていた。もう手足も動かず、そのまま目をつぶろうとした時だった。

「そこで寝たら風邪ひきますよ…?」

そこには、自分と同じくらいの幼い子供がいた。見た目からして少年か少女かは分からないが、彼
は、若葉が里以外の人で初めて出会い、そして初めての親友となる二色憂星(にいろ ゆうづつ)
であった。

その後、若葉は二色の家に上がらせてもらい、お風呂に入れてもらったりご飯を食べさせてくれた
りもした。二色の家族は優しく、見ず知らずの若葉を温かく受け入れてくれた。
元気になってから、二色の両親に若葉の自宅はどこにあるのかを尋ねられたが、もしここでその場所
を言ったら、里に帰ることになってしまい、また嫌な思いをするのではと思うと話せなかった。
それを見た二色の両親は何か言えない事情があることを察し、帰りたくなるまではずっとここにいて
も良いと言ってくれた。若葉はそれに甘えて、二色の家族に長い間お世話になることとなった。


分岐点(※ハンドアウトネタバレ有り)


長いこと二色家にお世話になり、その間で憂星とはだいぶ仲が良くなった。よく家の手伝いの合間を
縫っては近くにある森で遊んだりもした。若葉には培った身体能力を活かして憂星をからかうのが好
きで、よく木に登ったりして隠れたところから憂星を驚かせたりして遊んでいた。

いつの日か、また木に登り、隠れたところから憂星を驚かせようとしていたが、ふと気が付くと憂星
の姿が見当たらなかった。声を掛けても返事がなく、憂星も隠れて驚かせようとしているのか、はた
また帰ったのか、そう思い悩んでいると、ふと背後から何者かに襲われて意識が遠のいた。

ふと気が付くと目の前には憂星がいた。なんだそんなところにいたんだ…ほっ、と一息ついて安心し
たが、よく見ると憂星は傷だらけでうなだれていることに気付き戦慄した。いや、自分も怪我を負っ
ている…!
動揺を隠しきれないまま、何とか立ち上がろうとするも、ふと目の前に大きな壁が現れた。いや違う、
それは"鬼"だった。比喩表現ではなく本物の鬼のような怪物が目の前に立ちはだかっていた。恐怖で
足がすくみ、視界が霞んでくるように暗転していた。腰が抜け、もう何もできずに死ぬのだと思った。

…嫌だった。過去に、あんなにも死んでしまおうと考えていた自分が、今は大切な友達の憂星が目の
前にいて、このまま何もしなければ彼も一緒に死んでしまうのだと考えると、それがとてつもなく怖い。
それならば、彼を救うために戦って、自分が死ぬ方がまだマシだっ…!
そう思い、若葉は立ち上がった。震える足を抑えて目の前の"鬼"に立ちはだかった。

しかし、勝てなかった。あれだけ師匠の下で鍛えてきた自分でさえ勝てなかった。あの修行を乗り越
えた自負があったにもかかわらず、そこでようやく自分の非力さを知った。
何もできないことに絶望し、その後の記憶は定かではなかった。気絶していたのかもしれないし、
ただ放心状態であっただけかもしれない。それでも若葉の体感で長い時間だけが過ぎていくのを感じた。

しかし、ふと気が付くと誰かかから声を掛けられているような気がした。二色の声かと思ったが違う
ようだった。

「怪我はない?俺たち“UGN”が必ず守るからね。」

どうやら助けに来てくれたようだった。たしかに"鬼"の姿は目の前にはもうなかった。しかし意識が
朦朧としていたせいか、その直後の事は、そしてその青年の顔はよく覚えていなかった。

意識が段々と戻って来た頃には、自分と二色は二色家の元まで無事に送り届けられ、そして若葉の方
は現場の戦いの痕跡から、オーヴァードの力を持った人物であるという事が確認されていた。そのた
め、これからは"UGN"とやらに保護されて、こことは別の場所で生活をすることとなった。
里からはオーヴァードについて詳しいことは聞かされていなかったものの、その力が宿っていること
自体は聞かされていたため、若葉もそれに同意して保護されることにした。

居心地の良かった二色家から離れることは嫌であったが、散々お世話になった上に、これ以上迷惑を
掛けることはしたくなかった若葉は、二色家に感謝と別れを言って出ていくことを話した。
しかし、憂星は若葉についてくると言い出した。その理由は、若葉がUGN保護下になっても、出会った
時のようにまた独りになってしまうことが心配だからと言ってくれた。また、自分たちを救ってくれた
UGNの青年、憂星にはその姿が「ヒーロー」のように見え、自分もあのような「ヒーロー」になりたい
からUGNに行きたいとのことだった。
確かに若葉も同じ気持ちであった。青の青年のような、誰かを助けられる「ヒーロー」になりたいと
強く思っていた。

憂星の言う通り若葉のことが心配であることと、何より決意に固まった憂星の表情を見て、憂星の両親
も憂星がUGNに行くことに同意した。

幼い頃の断片的な記憶。しかし、若葉と憂星は一緒に誓い合った。

“UGNで活躍するヒーローになる!”


UGN~脱退まで(※ハンドアウトネタバレ有り)


UGNに配属されてからは念願の学校に行くこともできた。そして放課後には訓練を行うという日々で
毎日が忙しかった。憂星もクロスブリードのオーヴァードとして学校と訓練を共にし、普通の人とは
違った、でも充実した生活を送っていた。

ある日、ついに配属先が決定した。しかもUGN側が気を遣ってくれたのか、憂星と一緒の部隊であった。
ついにあの時助けてくれた人のように、誰かを助ける「ヒーロー」の第一歩が始まる。そう思っていた。
若葉と憂星が配属されたのは、UGNの裏切者を精査・処分する部隊に配属された。想像していたものと
はかけ離れていた、人が人を殺す部隊であった。

最初は、ここで頑張ればいつかは変わる。きっと望んでいたことが出来るようになる。と、意気揚々と
して任務に臨んでいた。しかし、若葉が任務で目にしてきたものは、ターゲットが自分たちに向ける殺
意、恨みの目であった。そして時には、自分たちの存在に怯え、恐怖に満ちた目もあった。若葉は、
それらの目を見る度に、心の底から湧き出る悲しみが本当に嫌であった。何故ならその目は、きっと自
分が里の者たちに対して向けていた目であったから。また、その時のターゲット達の気持ちもきっと、
自分が里を抜け出した時と同じ気持ちであったから。

任務を遂行するたびに、いつしか心が壊れてしまうと思った若葉は、とうとうUGNからの脱走を企てた。
その時には、もちろんずっと一緒にいた憂星も誘った。きっと彼も自分のように、望んでいた「ヒーロー」
とは違うことをしていると気が付いていたはずだから。そして憂星なら、きっと自分と一緒についてきて
くれると信じていたから。

…憂星は反対し、若葉だけがUGNからの脱走をおこなった。


逃亡~アトランティス入隊まで


あれからどれだけ時間が経っているのか分からない。きっとUGNを逃げ出したことだから、あの暗殺部隊
がきっと自分をターゲットにして迫っているはず。でも、その部隊には憂星もいるのだろうか。もし、
自分を殺すために彼が追いかけてきていたら、きっと自分は立ち直れない気がする…。いや、今考えるの
はやめよう。ただ逃げることだけに集中する。

そして、自分が追われているかもしれない恐怖に不安と焦りを感じながら、行く当てもなく、ただひたす
らに逃亡生活の日々を送っていた。

そんな中、今から2年前、遂にお腹が空いて倒れていたところに、牧田 優吾(まきた ゆうご)という人
物に出会った。優しく食べ物をくれた牧田は、身寄りも無く、誰からも必要ともされない子供たちの行き
着いた先『アトランティス』なる組織を作り上げたリーダーだと言った。

行きつく宛てのない若葉は、牧田の組織『アトランティス』に入ることにした。

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 GM 参加者
フルスクラッチ作成 0
GMボーナス点 34
経験点 10
使用後の残り経験点:40点(=54-14)
(2期)GMボーナス点 22

チャットパレット