容姿・経歴・その他メモ

子供の頃の記憶はない。

UGNの実験体としてオーヴァードになり2つのシンドロームを開花させた。
そして双子の弟が”居た”。
とても仲が良かった。
ある日、その彼は実験中の事故で死んでしまった。
その日を堺に自分の力は誰の目に見ても強くなった。

その後、UGNの施設から出された自分にはポッカリと心に穴が空いたままだった。
ある日、道端でパフォーマンスをしている同い年ぐらいの青年と出会う。
彼のパフォーマンスに見とれて居ると声を掛けてくれた。
コレが物語の始まりだった。

世界的なマジシャンへとなった自分は、当時青年であった彼と共に世界中を旅しながらパフォーマンスを繰り広げている。
旅先だったある国では、どこか怪しげな雰囲気の露店に並ぶアクセサリーが目に止まった。
店主は「このアクセサリーは曰く付きだ」と言って、とても安く売ってくれた。
そんな彼が話しかけてくれたのは、宿で一人になった直後。
「…あんた、オーヴァードだな？」
相棒の最初の言葉はそんなものだったと記憶している。

数年後、ある国でパフォーマンスを行って居る最中に、ヴァシリオス・ガウラスによるUGN支部襲撃が行われた。
ワーディングが張られる中、現場に急行した時その光景は地獄絵図だった。
奴との出会いはコレが初めてで、そしてUGN支部は壊滅。
撤退するヴァシリオスは、ボロボロだった自分に名を教えた。
そして幾度となく奴の跡を追いかける形で旅をする事となったが、マジシャン仲間が限界を迎え別れを告げてきた。
「お前との旅は楽しかったが、それと同じぐらい危険な目にも有ってきた―」
そう切り出され、別々の道を歩むこととなる。

今は、完成されたパフォーマンスと奴を追いかける日々。
「次こそは決着を」そう思いながら今日を過ごす。

―――だが、未だに懐かしい顔つきのあの弟が、手招きする白昼夢を見る事がある。

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