元ストリートチルドレンの非登録市民。小学校の修学旅行で訪れた旅先で起こった"震夜"により覚醒したが、本人は具体的にどうやってオーヴァードとなったかは覚えていない。ただ覚えているのは、託宣のような、聞いたことのない誰かの声だけだった。
震夜後の非登録市民の生活は生存すら窮する有様で、その原因を作った司政局の統治に反発し仲間たちと「ライオット」を結成する。要職に就くことはなかったものの、抜群の戦闘能力を遺憾なく発揮しライオットのエースとして勢力拡大に寄与した。GPOとの戦闘でも抜きん出た強さを発揮していたが、本来彼の主任務は暗殺であり、その剣の投擲により数多くのGPOと司政局の要人を殺害してきた。
ライオットを引退してからは専ら暗殺を生業としている。OBとしてライオットの手伝いもしているが、彼らの活動の妨げにならないよう過度に干渉することは控えている。

聡明という言葉を具現化したような人物で、いついかなる状況でも冷静に行動する。だが言葉の節々からは情熱や感情が零れることも多く、冷徹な仮面の裏にある人間味からか彼を慕う人間は少なくない。その情熱は行動にも現れており、困っている人間には積極的に手を貸そうとする。
彼が戦う主な理由は「貧困の改善」である。自らの辿った苦々しい貧困生活から子供たちを救い出したいと考えており、格差を助長する市民登録を根拠に救済者の選別を肯定する司政局には強い不信を抱いている。
「住民の命を優先とするならば、先ずは救済しその後に何かしらの義務を負わせるのが順当だろう。…だが非登録市民への扱いはこのザマだ。奴らは俺たちのことを守るべき対象ではなく脅威としか考えていない」
彼は共に戦い、散っていった仲間たちのことを全員覚えている。彼らの言葉、笑顔、背中、そして最期まで、ありとあらゆる過去を伝え聞かせられることから「血の語り手」という異名を持っている。