「あ～↑いーねいーね。ばっちりシャッターチャンス！」
「輝きがすぐに薄れて行くなんてもったいないっしょ。私が引き延ばーす！」
「欲望は止まらないよぉ。記者なのでっ☆」
ギャルぶってる32歳。バロールで老化を誤魔化してるとかなんとか。不変で輝かしいものが好き。
星、宝石、絵画、写真etc.
オーヴァードの生き様とも呼べるレネゲイドの行使の瞬間を切り取り写真に収めることが彼女のオーヴァードとしての欲望であり衝動である。撮られたエフェクトは現実から掻き消えて写真の中に閉じ込められることもあるとかないとか。

　政治家の娘。金の力で良い学校に行き、大学まで学歴を積み重ね、平々凡々な人生を送ってきた。そんな彼女の転機らしい転機は25歳を過ぎた頃、父親がスキャンダルによって政治家の立場を追われた折である。新聞に載った父親の衝撃的な姿は、刺激の枯れた彼女の人生に新たな潤いを与えた。
「私が一番に誇っていた父はあの日を最後に光らなくなりました」
「けれど、ただ持続した輝きなんかよりも輝かしい。強い熱量を持った一瞬を永遠に保存する」
「なんて魅力的で残酷なんでしょう」
「──『没落の令嬢が語る！大物政治家のその後！』なーんてねっ」